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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

マツダ3(手前)とCX-30

マツダは今年、2台の新型車を登場させた。新型マツダ3(今までは「アクセラ」と名付けられていた)とCX-30。どちらもとてもよくできたクルマだ。スタイリングはマツダらしさのある格好いいデザインだし、スカイアクティブのエンジン技術が高く評価されている。

ハッチバックである新型マツダ3は基本設計同様というが、旧型車よりも外観、室内の質感、走り、乗り心地、性能、オーディオなど、全ての面で向上した。

前輪駆動や4WD仕様、6A/Tや6M/T、スカイアクティブ仕様のガソリンやディーゼル、またはディーゼルとガソリンの美味しいところをとって合わせたスカイアクティブXの仕様も用意されている。

マツダ3
マツダ3

細かく分析すると、広島本社のエンジニアたちがそのつくりにかなりこだわっていることがわかる。

今までになかった機能として、ウィンドースクリーンのウォッシャーの吹き出し口がボンネット上ではなくワイパーについたし、視認性を向上させるために、Aピラーも特別にデザインされている。また、サポート性を上げるためにゼロから作り直し、画期的に改良されたシートはコンフォート性も高く、長距離クルージングも快適そうだ。

さらに今回、プレミアム性も加わった。内装は同クラスの中で最も品質の高い本革シートを採用。オーディオ・システムは、12スピーカー付きボーズ製となっている。その結果、価格は数千ドル上がった。

しかし、どうも苦戦を強いられているようだ。というのも、いま、特にアメリカでは、SUVやピクアップトラックに乗りたがる顧客が年々増えており、ディーラーたちが売りたがるのは人気のSUV。つまり、CX-30なのだ。

実際、2012年には、12万台以上のマツダ3が売れていたが、2018年はその半分しか売れていない。一方、SUVであるマツダCX-5の販売台数は年々増え、2017年には12万台、2018年には15万台と右肩上がりだ。CX-30は、プラットフォームや基本設計はマツダ3と同様だが、その位置付けはCX-3とCX-5の間となる。

CX-30
CX-30

マツダ・アメリカの関係者によると、マツダ3の販売を少し苦しめているのは、新しく加わったそのプレミアム性だろうと言う。

「小型車のハッチバックに関して、顧客は価格にとても敏感です。マツダ3のプレミアム性がアップしたのは、いいことではあるものの、顧客はそれに対してより高い料金を払いたがらない。そこに、CX-30が登場しました。CX-30もプレミアム性はありますが、こちらはSUVだから、顧客の見方が違うんです」

確かに、マツダ3の不振を尻目に、SUVであるCX-30はだんだん人気が出てきている。

その関係者曰く、「小型車の場合には、プレミアム性に対価を払いたがらないユーザーも、マツダ3よりルーミネスや機能性が充実しているSUVのCX-30には、プレミアムな価格を出してもいいと思うようです」というわけだ。

そう言われてみれば、日本でもそうだろう。プレミアム性のついたハッチバックと、プレミアム性のあるSUVがあれば、顧客は後者に誘惑されると思うね。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

文=ピーター・ライオン

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