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──開発の中で、京谷さんがこだわった部分はありますか。

商品のテーマとしては、新ジャンルそのものを疑うところから始めました。新商品が各社から販売され、どんどん美味しくなってきている中で、新ジャンルはビールよりヒエラルキーが下であり続けるのかと疑問があったからです。ビールには敵うわけがないという思い込みを一度捨てて、次の商品ではうまさに妥協のない、一番と信じられるものを作る。そう決めていました。試作品を飲んだ時、これはいけると確信しましたね。

私が特にこだわったのはパッケージです。いい商品を作る次の段階として、その価値に気づいてもらうことが必要だからです。パッケージは赤一色。赤といえば、麒麟のコーポレートカラーであり、言わずと知れた麒麟ラガービールのラベル色でもある。「本麒麟」という名前も、会社そのものの様な名前であり、失敗したらその商品だけでなく企業のイメージダウンにつながりかねないネーミングです。この二つの要素で、130年ビールを作っている企業の本気を表現しました。博打ではありましたが、とても目立つものができたと思います。

──ご自身のキャリアについて、どのように捉えていますか。


本麒麟を知ってもらいたい一心でメディアに出ていたとき、視聴者の方から「大企業でも楽しく働いている人がいるのか!」という反応がありました。仕事もライフチョイスも自分がしたいタイミングでできることや、仕事を楽しくやっている人は輝いているということを、社内外の人に伝えることができたら嬉しいです。

仕事の中で、大切にしていることが二つあります。一つ目は、「自分の仕事を通じて日本中のビール好きの幸せにする」という、大きく明確なビジョンのもとに人を巻き込んでいくことです。いま、この使命感をチームで共有して、お互いに鼓舞し合いながら、目の前の課題に取り組み続けることができているので、とても恵まれていると思います。

二つ目は、人とのつながりを大切にすることです。例えば、自分の言葉に対して「本気でやります」と言ってもらえた時、相手の本質的なところまで届いたと感じ、生きていて良かったと思います。

リーダーには、ビジョンを語る力と、共感して周囲と協働していく力が重要です。果てのない目標を実現するには、全ての人に対して誠実で、フラットであり続けることが必要だと考えています。まだまだ力不足を感じる日々です。

キャリアを考えるには、自分自身がどんな人生を送りたいのか、そのためには個としてどう力を伸ばしていくのかを自覚することが重要だと思います。企業の中で働いていても個性を大切にしていかないと、井の中の蛙になってしまいます。広い世界で輝けるような人間になるために、自分の人生のハンドルをきちんと握りたいです。

執筆=揚原 安紗佳

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