市場とジェネレーションYのお金に関する差し迫った問題に注目

グレタ・トゥンベリ(Photo by Pablo Blazquez Dominguez / Getty Images)

グレタ・トゥンベリは、フォーブスの「世界で最も影響力のある女性」ランキングに入った顔触れの中でも異彩を放っている。

アンゲラ・メルケル独首相のように選挙によって公職に就いた人物でもなければ、ユーチューブと23andMeを率いるウォシッキー姉妹のように企業のCEOや創業者というわけでもない。また、オプラ・ウィンフリーとは違ってフォーブス米長者番付の常連でもないし、テイラー・スウィフトのように世界で最も稼ぐセレブでもない。

それでもトゥンベリは、年齢が自分の3、4倍もある人が持ちえないような影響力を手にしている。現在16歳の彼女が母国スウェーデンで話題の人となったきっかけは、2018年8月に学校をボイコットし、議会の前に陣取って「skolstrejk för klimatet」(気候のための学校ストライキ)と書いたプラカードを掲げ始めたことだった。そして同年、国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)でのスピーチで世界の注目を集めた。


グレタ・トゥンベリ(Photo by Michael Campanella / Getty Images)

トゥンベリは当時、こう訴えた。「あなた方は、自分の子供たちが何よりも愛しいと言うが、それでも子供たちの目前からその未来を奪っている」「私たちがここに来たのは、あなた方がどう思おうが変化はやってくることを知らせるため。真の力は、人々の手中にある」

そしてその力は特に、若者の手中にある。多くの若者がこうしたトゥンベリの言葉に感化された。今年9月20日、世界各地の生徒たちが世界最大の気候変動デモを行い、全7大陸160以上の国・地域で約400万人が参加した。

トゥンベリは環境への影響を理由に航空機の利用を避け、欧州内の移動には列車を使っており、今秋には大西洋を船で横断。航空専門家らは、航空便利用者が微減したことを説明するために「グレタ効果」という言葉を使うようになった。


グレタ・トゥンベリ(Photo by Stephanie Keith / Getty Images)

フォーブスが毎年発表する「世界で最も影響力のある女性」ランキングでは、自らが管轄する収入源や国内総生産(GDP)、資産のある女性が優先されるほか、統治する人口や世界の従業員数も考慮される。トゥンベリはこのいずれも持ち合わせていないものの、彼女には「声」がある。

その「声」により、トゥンベリは3つ目かつ最後の評価項目である「メディア露出」で圧倒的な存在感を示した。トゥンベリは今年、メルケル首相とナンシー・ペロシ米上院議員に続き、メディア露出が3番目に多い女性となった。

16歳でノーベル平和賞候補者に?

ソフトパワーを非常に効果的に駆使するトゥンベリは、今年のノーベル平和賞の候補者となったとも伝えられている。同賞の候補者としては史上最年少の部類に入る。

こうした理由から、フォーブスは今年の「世界で最も影響力のある女性」ランキングでトゥンベリを100位に置いた。影響力とは主観的なものであり、この順位に納得できない人も多いだろう。もっと上だと言う人もいれば、下だと言う人もいるに違いない。ただはっきりしているのは、トゥンベリは人類が地球に及ぼしたダメージを元通りにすることはできない一方で、その固い決意と鋭い発言は無視できないということだ。

トゥンベリは9月、国連での演説でこう語った。「人々は苦しみ、死んでいる。生態系全体が崩壊している。私たちは大量絶滅の始まりにいるというのに、あなた方が話すことといえばお金と、永続的な経済成長というおとぎ話ばかり。よくもそんなことができますね!」

翻訳・編集=遠藤宗生

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