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中国の電気自動車メーカー最大手のBYDは、米カリフォルニア州ランカスターの工場で、EV(電動)バスの生産を行っている。ウォーレン・バフェットのバークシャー・ハサウェイも出資するBYDは、現地で年間1500台を製造し、米国の交通セクターに革新をもたらすつもりだったが、その計画を見直す必要がありそうだ。

米国の超党派の議員らは政府に対し、中国メーカーが米国の公共交通セクターに入り込むことを阻止するよう求めている。議員らは、中国企業が米国内で製造を行っていても、それを認めない方針だ。

米国議会の与野党は12月上旬に、2019年米国国防権限法(NDAA)の法案の一本化で合意した。条項には中国製のバスや列車を米国の公共交通から2年以内に排除することが盛り込まれている。トランプ政権はこの法案を承認する見通しだ。

背景には、中国系企業が公共交通で用いるカメラやセンサー類が、米国にサイバーセキュリティ上の脅威を与える懸念がある。

「一部の中国企業は、彼らが善意あるグループであると宣伝しているが、彼らが米国の経済に打撃を与え、安全保障上の脅威をもたらすことは明白だ」とオレゴン州選出で民主党所属の下院議員のHarley Roudaは述べた。

BYDは、この法案の裏側には競合企業が同社を妨害しようとする意図があると述べた。「今回の残念な判断により、EVバス業界の適切な競争環境が脅かされ、米国の雇用が脅かされる。また、温暖化防止の取り組みが遅延することになる」と同社は主張した。

BYDはランカスターの工場で800人を雇用し、電動バスやトラック等を製造している。ロサンゼルスの鉄道向けに列車を製造する中国企業のCRRCも苦境に陥る。

中国のビリオネアWang Chuanfuが率いるBYDは長年、米国事業の立ち上げに向けて努力した結果、先月になってようやく、ロサンゼルスの交通当局から130台のバスの受注を確保していた。BYDという名称は「Build Your Dreams」の頭文字をとったものだ。

BYDはシリコンバレーのテック企業や空港、大学とも契約を締結済みだが、今回のNDAA法は、それらの契約には影響を与えないという。

調査企業BNEFの試算によると、中国では既に数十万台規模の電動バスが導入されている一方で、米国の導入規模は小さく、数百台規模でしかないという。しかし、この市場は急速に拡大中だ。

一方で、米国政府の中国企業を排除する動きは、米国の競合のプロテラ(Proterra)らには追い風になる。プロテラは米国の電動バス市場をリードする企業で、New FlyerやGilligなどのサプライヤーと連携している。

元テスラ社員のライアン・ポップルらが率いる電動バスメーカー、プロテラは、米国全土の公共バスをEVに置き換えることを目標としている。

BMWやGMからの出資を獲得したプロテラは昨年9月、ドイツのダイムラーが主導した資金調達ラウンドで、新たに1億5500万ドル(約174億円)を調達し、累計資金調達額は約6億ドルに達していた。

編集=上田裕資

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