テイラー・スウィフト新アルバムは「純売上」で100万枚突破

Photo by Kevin Mazur/AMA2019/Getty Images for dcp

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テイラー・スウィフトがまたもや、現代の音楽業界において突出した存在であることを証明した。スウィフトの最新アルバム「Lover」が2019年の音楽業界において、唯一の“純粋な売上”が100万枚超えのセールスを記録した作品となったことが、Chart Dataのレポートで明かされた。

ここで言う「純粋な売上」とは、ニールセンのSoundScanのデータを元に物理アルバムとデジタルアルバムの売上のみを集計した数値のことだ。近年のチャートの集計では、ストリーミングや音楽配信による消費を「アルバム相当単位(Album-equivalent unit)」という指標に換算し、売上に加味しているが、純粋な売上はストリーミングの数値を含まない。

つまり、スウィフトの「Lover」はストリーミングや、個別の楽曲のダウンロード数をカウントに入れずに、100万枚を突破したのだ。

しかし、スウィフトの莫大なアルバムセールスは従来から、純粋な売上によってもたらされてきた。彼女がスターダムにのし上がったのは、CDの売上が現在よりもずっと多かった時代のことで、それ以降もスウィフトは様々な豪華版や限定アイテムとセットで売られる物理的アルバムで売上をあげてきた。

9月4日にリリースされたアルバム「Lover」は初週に67万9000枚の売上となり、アルバム相当単位も18万8000ユニットを記録。合計で86万7000ユニットに達していた。

スウィフトは女性アーティストとしては史上初めて、6枚のアルバムを初週で50万枚以上販売した。50万枚に届かなかったのはデビューアルバムのみだった。さらに、彼女の7枚のアルバムは全て、ストリーミングの数値を加えずに米国で100万枚を超えるセールスを達成している。

さらに、彼女はニールセンのSoundScanの歴史上でただ1人、4枚のアルバムを初週で100万枚以上売り上げたアーティストだ。2010年の「Fearless」や2012年の「Red」、2014年の「1989」、2017年の「Reputation」は全て、初週で100万枚を超えていた。

ただし、HITS Daily Doubleによると、ストリーミングも含めた2019年の総合アルバムランキングで、スウィフトは4位だった。トップはポスト・マローンの「Hollywood’s Bleeding」でビリー・アイリッシュの「When We All Fall Asleep, Where Do We Go?」が2位。3位はアリアナ・グランデの「Thank U, Next」だった。

これらの3枚のアルバムはいずれもストリーミングの再生回数で上位に入ったが、純粋なアルバムの売上では、スウィフトの「Lover」には遠く及ばない。純粋なアルバム売上でスウィフトを超えるアーティストはしばらく現れないだろう。少なくともアデルが次のアルバムを発表するまで、この状況は続く見通しだ。

編集=上田裕資

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