ライフスタイル

2019.12.15 10:00

メキシコシティに「リトル・トーキョー」 広がる日本の食と文化

亀山社中=2019年11月、メキシコシティ (ファビオラさん提供)


トトロパンや包丁専門店も
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メキシコシティ北部クアウテモック地区周辺には、あんぱんを食べられるベーカリー「Tsubomi(つぼみ)」もある。Tsubomiはカフェテリア付き店舗を18年にオープンした。メロンパン、カレーパン、トトロパンなども人気だ。パンには保存料を使っていない。 

食事に関連して日本の包丁を扱う店舗も地元に定着している。2016年にオープンしたKameyama Shachuu(亀山社中)だ。大阪・堺生まれの堺孝行刃物を扱っている。メキシコでは各界の有名人らも利用する人気店で、本田圭佑さんがメキシコリーグ在籍時には、特注の包丁を贈ったこともあるとか。

夫のヒロシさんと店を運営するファビオラさんによると、常連客にはイタリア大使館シェフなど地元の料理人のほか、刃物コレクターなどもいるという。
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「日本の高級刃物を持ってきてメキシコ料理界のさらなる飛躍に貢献したいと思った。メキシコ料理は非常に奥深いが、刃物の知識やメンテナンスがあまり重要視されていないように感じていた」

ヒロシさんのこのような着眼点が事業開始のきっかけだったとファビオラさんは話す。

このようにメキシコシティ北部のクアウテモク地区を中心に近年、日本に関連する店舗、レストランの開店が続いている。

一方、長年メキシコシティで生活する日本住民らは「リトル・トーキョーと呼ぶには密度が薄い」「少し大げさでは…」と、物足りなさを指摘する。

各業種で新店舗の開店が続けばメキシコシティ版「リトル・トーキョー」は発展するかもしれない。また、ロサンゼルスやサンパウロほど知られていないが、メキシコにも日系社会の長い歴史がある。その埋もれた歴史のなかにも、コミュニティ定着のヒントがありそうだ。

連載:アジアの波打ち際から
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文・写真=李 真煕

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