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国際的な指標からブランド価値を判定するランキング、Best Global Brandsを毎年発表するブランディング専門会社「インターブランド」。日本の代表取締役社長兼CEO 並木将仁氏が、LVMHグループに所属する高級ジュエリーブランド「フレッド」とForbes JAPANのコラボレーションにより開催するトークショーへ登壇することが決定した。

世界ではインターブランドが顧客体験のランキングを発表しており、LVMHグループからはルイ・ヴィトン等がランクイン。また日本でも初となる顧客体験価値(CX)ランキングを今年11月に発表したことが話題となっている。

ランキングを発表するインターブランド日本代表の並木氏がイベント当日、ブランディングや近年のブランド動向など、見識を活かしたトークを展開する予定だ。今回はトークショーに先行して並木氏にインタビューを実施。


ーフォーブス誌面で発表いただいた顧客体験価値(CX)ランキングは大きな話題となっていますね。

Best Global Brandsと同様に、今回の指標は日本だけでなくグローバル共通でやっているというのが大きなポイントです。顧客満足度ランキングは他にもありますが、世界のブランドと比較して考えられる尺度が現在あまりない。私共が行なった顧客体験に関しては、いかに使いやすいかというようなことではなく、感情など情緒的なものをスコア化しているのがユニークです。企業として今後の打ち手が考えやすいのが我々のランキングが評価された点だと思います。

インターブランドが行うブランド価値ランキングと顔ぶれは違うのですが、顧客体験がブランド価値につながるので、先行指標にはなる。ブランド価値の評価そのものに関して言うと、財務的な強さ、それにおけるブランドの役割、ブランドが構造的にもっている将来リスクに対する強さ、という3つの側面で見ています。ですので、顧客体験が強い会社のブランド価値が高くなるかというとそういうことではないのですが、ブランド強度(ブランドがもってる潜在的な強み)とは一定の相関があると思っています。

そして、CXランキングをグローバルの指標と比較して興味深いのは、世代差です。日本は20代を見るとグーグル、ディズニー、任天堂などグローバルブランドの体験を良しとしており、上の世代になるほどドメスティックブランドが提供する体験が嬉しいという傾向があるんです。ここはこれからの日本を考える上では重要じゃないかと思っています。



ーブランドの動向において、近年の傾向はございますか?

伸びているカテゴリーの一つは実は「ラグジュアリー」です。今年10月に発表したBest Global Brands 2019では、テクノロジーよりもラグジュアリーが全体としては伸びていました。これは面白い変化だと思っています。

背景としては、デジタルやダイバーシティへの対応があることが考えられます。ダイバーシティでいうと、若者やLGBTに対して、意味がある立ち位置にシフトしている傾向があります。例えば、グッチがいい例で、ストリートファッションやダイバーシティなどを取り入れることで、ミレニアルとの距離をいかに縮めるかを考えています。そういうときにデジタルシフトしていないとそもそもリーチできないですから、デジタルは重要なんです。

ブランドの価値評価の軸でも、顧客にとってどのくらい自分ごとにできるかという関連性のスコアが上がっていかないと、ただの古いブランドになってしまいます。いまラグジュアリーはそこにちゃんと取り組んでいることが多いです。また、店舗をもう一度しっかり作るなど、リアルな経験も重視して信頼性を高めています。このバランスをしっかり作っているのが、カテゴリーが伸びているポイントだと思います。

ブランドに対する態度でいうと、アメリカの会社はシステマティックにブランドに取り組んでいます。そして欧州は昔からブランドというものに向き合っているから、ある程度自分の潜在的なものになっています。トレンドを掴みながら、ブランドらしさをいかに壊さないかが、いまの姿につながっていて、この数年、欧州のラグジュアリーブランドが取り組んでいる形は参考になりますね。



ーラグジュアリーブランドのブランド価値が上がっているというお話でしたが、顧客体験についてはいかがでしょう?

ラグジュアリーの顧客体験においては、課題もあると思っているんです。僕はストーリーテリングって実は好きじゃなくて。なぜかというと、間違った解釈がされる場合もあるからです。ストーリーテリングって物語を語れば良いとなり、本当に伝えたいことを伝えるストーリーテリングはできているだろうかと思います。ラグジュアリーは、分かって当然、もしくは分かりたければ調べてというスタンスが時にあります。金額が高ければラグジュアリーと間違えた解釈がされることもありますが、ラグジュアリーは質の話。それをうまく体験として築ける仕組みが必要じゃないかと思います。

ーブランドが提供できる価値を顧客にどのように伝えられるかが大切ですね。

最近、ブランドが顧客に対してなにを約束するか、ブランド価値を考える上で、ブランドプロミスの考え方に自分のなかでも変化がでてきているんです。ブランドとしては、自社の視点・競合の視点・顧客の視点と並べて、そこからどうブランドプロミスや体験をいかに出すかという事が重要なのでが、それに加えて最近は、ブランドの社会的存在意義、ビジネスドリーム、人へのインパクト、この3つの割合をいかに設定していくかということも、ブランドプロミス策定の大前提として考えています。

このバランスから顧客体験を導き出して、行動変容を起こしていく。なかでも社会的存在意義は年々大きくなっていると感じますし、ワクワクできるようなビジネスドリームを描けることも同じくらい大事です。

それを踏まえて、人とブランドの関係性をどう作るかというのが、ブランドビジネスの面白いところです。そしてそれは体験で作られるものだと思います。体験があるから関係は成立します。自分らしい個性がないと関係性はつくれない。そして相手への理解がないと適切な関係は構築できないのです。ワクワクするから人とブランドがコネクトする、それをやれるのがブランドビジネスの面白さだと思います。


フランスで暮らした経験もあり、アルゼンチンタンゴのアジア大会チャンピオンでもある並木氏はアルゼンチンにも滞在していたなど、欧州での経験も豊富。欧州文化を肌で感じてきたからこその欧州ブランドの魅力や今後のあり方にも話は広がった。さらなるブランディングの話については、2月のトークイベントにぜひご応募を。



フレッド×Forbes JAPANトークショー「Building a Brand」読者限定ご招待


写真はイメージです。

アルゼンチン出身のフレッド・サミュエルによってパリで設立され、セーリングの世界からインスピレーションを得たコレクション「フォース10」や、鮮やかなカラーストーンを使った「パン ドゥ スークル」「ベル リーヴ」などで知られるフランスの高級ジュエラー「フレッド」とForbes JAPANがトークショーを開催します。

会場は1927年設立の由緒正しき会員制社交クラブ、東京アメリカンクラブ。歴史あるホールでディナーを楽しみながらのトークセッションとなります。「フレッド」のジュエリーの数々が並び、華やかな雰囲気のなか、その世界観を体感できる特別な一夜を。お気に入りのアイテムが見つかれば購入も可能です。

ゲストはインターブランドジャパン代表取締役社長兼CEOの並木将仁氏。CXランキングの裏側や欧米ブランドのブランディングについて、掘り下げたトークを展開予定です。

このイベントにForbes JAPAN読者から、10組20名様を特別に無料でご招待します。参加ご希望の方は以下リンクよりお申し込みください。みなさまのお越しをお待ちしております。

【イベント詳細】

開催日:2月6日(木)
開催時間:19:00ー21:00(ドアオープン、カクテル 18:30開始予定)
会場:東京アメリカンクラブ(東京都港区麻布台2-1-2)

*なおトークセッションはすべて英語で行われます(同時通訳が入る予定です)

【応募方法】
※お申し込みは締め切りました。沢山のご応募、誠にありがとうございました。
(応募締め切り:1月15日(水)23:59まで)

【出演】


並木将仁
(インターブランドジャパン 代表取締役社長兼CEO)

戦略コンサルティングファームにて、企業戦略、事業戦略、ブランディング、マーケティング、デジタ ル、イノベーション、組織変革などにおけるコンサルティングを中心に、包括的に企業の成長を支援。 現在は Interbrand Japan の代表としてブランドを介した企業成長を支援。特に、ブランドと経営の融合をトップレベルで実現することによる、日本企業の飛躍的成長に注力。 ブランド戦略立案においては、KPI 設計に基づくブランドと経営の融合、カスタマーインサイトに基づくブランド体験設計、事業戦略実現に向けたブランド効果最大化、そして顧客中心主義の実現などにおいて経験多数。ボストン大学経営学士号、HEC および UTDT 経営修士号。プライスウォーターハウスクーパーズ、マッキンゼー・アンド・カンパニー、カートサーモン等を経てインターブランドに参画。 著書(共著)に「ブランディング 7つの原則」(日本経済新聞出版社)、「ブランディング7つの原則[実践編]」(日本経済新聞出版社) 。


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Promoted by フレッド 文=児島麻理子 写真=五十嵐真

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