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2019.12.20 07:30

真似されたもん勝ち ボルボ・トラックの「開脚CM」拡散の秘密


ヒットを支えた重要な要素の1つが、数多くのパロディがつくられたこと。トラックを、荷物運搬用台車や車輪付きの椅子、飛行機の翼の上(これは合成)などに置き変え、同じようなシチュエーションの動画が数多く制作され、ネット上にアップされた。


パロディの例

誰かの顔から始まり、エンヤの「オンリー・タイム」が流れ、カメラが引いて、両脚が開いていけば、例え何の上に乗っていようと、これらの動画は、ボルボ・トラックの動画のパロディだとわかり、制作した投稿者とそれらを見た人は面白がることができる。

結果として、ボルボ・トラック側は、自らの広告コミュニケーションの「裾野の拡大」を手にすることになるわけだ。そのために、送り手は、意図的にドラマ仕立ての展開等を排除し、極力、シンプルかつ特徴的な内容として、パロディによる拡散を狙ったと考えられる。

ここ10年ほどで、最もインパクトを与えた動画であるキャドバリー社のチョコレートのCM 「Gorilla」(ゴリラがひたすらドラムを叩いているだけの内容)も同様の特徴を持ち、数多くのパロディがネット上を賑わした。

言いたいことを3つに絞り繰り返す

ボルボの「THE EPIC SPLIT」の事例から得られるヒントも、あなたご自身のコミュニケーションに活かせそうだ。

例えば、あなたが部下やチームメンバーや家族に伝えたいことの核は、精査していけば3つくらいに絞られるはずだ。その3つを、いつも同じ「シンプルで特徴的な」言い方で、相手がマネするくらいに繰り返そう。

我が家でいえばその3つは、「うちはマイルド一家なんだから怒るな」と「ヤル時はヤルけどヤラナイ時はヤラナイよ」と「世間は厳しい、せめて家族には優しく」だ。

企画書で最低限大事にして欲しいことも3つ程度に絞ってみてもいいかもしれない。

あなたの仕草や口癖がマネされるようになったら、それは「勝ち」を意味する。

先進事例に学ぶ広告コミュニケーションのいま
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文=佐藤達郎

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