2. 自分との約束を守り抜く
自分がやると言ったことをやり抜くと、大きな力が感じられる。すべての結果を意のままにできる人はいないが、自分がすると言ったことを実行に移すことは誰でもできることだ。そうすると非常に生き生きとした気分になり、人々が自分のもとに集まる。
約束を守るには、約束するもの自体を減らすことが必要かもしれない。しかし、約束を守り抜くことができなければ周囲の信頼を失うだけでなく、自分自身を信じられなくなるだろう。自分を信じることができない人生は、幸せなものと言えるだろうか?
3. 他者に与える
ゲイツの発言の中にこの点は含まれていなかったが、慈善活動はビル・ゲイツという人間の大きな部分を占めているため、外すことができない。ビル&メリンダ・ゲイツ財団の寄付金は、2017年12月31日時点で507億ドル(約5兆5000億円)だった。他者に与えることで気分が良くなるし、健康にも良い効果があり、感謝の気持ちを呼び起こすことができる。修道士のデヴィッド・スタインドル=ラストはTEDトークで「幸せが感謝をもたらすのではなく、感謝が私たちを幸せにしてくれる」と述べている。
4. 運動を増やす
テニスをするゲイツは、運動が気分の改善に効果的なことを知っている。運動は、気分や睡眠、食欲を脳が制御できるようにするセロトニンを増やすため、慢性的なうつ病に効果があることが証明されてきた。また、運動により気分改善を促す自然物質であるエンドルフィンも増えるほか、ストレスが脳に与える影響も制限され、通常の睡眠パターンへの回復が促される。
5. 愛する人を優先する
「自分の子どもがきちんと育っていることはとても特別なことだ」という考えは筋が通っている。人が死に際でよく口にする5つの大きな後悔の一つに、「愛する人たちともっと多くの時間を過ごせばよかった」がある。男性の中で最も一般的な後悔が、「仕事にこれほどの時間を費やさなければよかった」であることと合わせると、「ワークライフバランス」が緊急の課題であることが改めて浮き彫りになる。
きっと読者の皆さんは、「良いこと言っているけど、私も数億ドル持っていれば確実に幸せになれるよ」と思っていることだろう。そうかもしれない。だが、ゲイツの答えから示唆されているように、自分自身や他人から信頼されるとき、心と体の調子が良いと感じるとき、そして愛する人を優先するとき、人は不健康かつ利己的で孤独な億万長者よりもはるかに大きな充実感を持てるのだ。