ビル・ゲイツに学ぶ、幸せになるための5つの秘密

ビル・ゲイツ/ Getty Images

人は私のようなライフコーチよりも、億万長者が授ける人生の教訓に注意を向けがちだ。ただ、これには問題がある。ライフコーチの大半があまり裕福ではない一方で、金持ちの大半はそれほど幸せでない。

そんな中、世界で2番目に裕福な男ビル・ゲイツ(63)が今年、ソーシャルメディア「レディット(Reddit)」の「Ask Me Anything(何でも聞いて)」コーナーに参加した際、私にとって喜ばしい質問が出た。それは、「今、幸せですか?」「いろいろ経験してきた中で、何に幸せを感じますか?」という問いだった。彼の答えは聡明であると同時に、驚くほど安上がりなものだった。

私はライフコーチとして「幸せ」の概念を信じていない。ゲイツへの質問が、バランスや充実感、感謝の気持ちについてであったらよかったのにと思う。いずれにせよ、ゲイツは「今、幸せですか?」の質問にこう答えた。

「ええ! 30代の頃は、60代の人はあまり賢くない、あるいは楽しい生活を送っていないと思っていたが、今では違うと言える。私に20年後、また同じことを聞いてみてほしい。80歳の人がどれほど賢いかについて語るだろう」

2つ目の質問には次のように答えた。「最近、自分の子どもがきちんと育っていることはとても特別なことだと言った人がいたが、私も一人の親として完全に同意見だ。また、もっと運動をするなどといった自分への約束を守ることにより、より幸せに感じるときもある」

私が知る限り、ゲイツは私のような資格を持ったコーチではない。だが、私は億万長者ではないので、私とゲイツの経験を組み合わせたら素晴らしい結果になるのではと考えた。以下に、ビル・ゲイツの幸せになる5つの秘訣(ひけつ)を、私が分かりやすく普遍的に編集したものを紹介する。

1. 20歳の自分ではなく未来の自分に語りかける

困難な問題に対して新たな視点を得るには、20年後の自分に話しかけることが一番確実な方法だ。将来の自分はとても賢く、平静や安らぎ、喜びをもたらすものは何かを知っている。ビル・ゲイツが認めたように、大半の人は40、60、80歳になっても20歳の頃の自分と対話している。しかし、これは人生を肯定してくれるような会話にはならない。

20歳の自分は、50歳は年老いていてピークを過ぎていると考える。一方で、70歳の自分は50歳の自分に対し、今ほど若くて力や活力があり、健康な状態は今後二度と来ない、という正しい知恵を授けるだろう。20年後の自分は賢い存在で、小さなことを気にすべきではないことや、自分が何に喜びを感じるかを知っている。

一人で静かに15分過ごす時間があるときは、こうして簡単に未来の自分を想像してみよう。また、現実的に考えて20年後に自分は生きていない年齢の人は、墓の中から自分に語りかけるところを想像する。亡くなった自分は今の自分に、何をしたり言ったりすべきだと語りかけるだろうか?
次ページ > 自分との約束を守り抜く

編集=遠藤宗生

ForbesBrandVoice

人気記事