世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

なぜいま中長期的な投資が重要視されているのか。10年後、投資家としてどう生きていけばいいのか。そのヒントをスイス・プライベートバンク UBSの「Investor Watch」からひもとく───。


2020年は、単なる1年ではなく、次の10年の始まり。世界中の投資家は、この10年に向けてどう備えようとしているのだろうか。従来であれば、新年を迎える際は金融市場に対して楽観主義が優勢になるが、20年はためらいと警戒心が高まっている。

投資家が市場動向を見据える際には、かつては企業の収益性、売上高、成長力といったファンダメンタルズに依存していた。しかし今は先行きの不透明な世界情勢が投資家のセンチメントに大きな影響を及ぼしているのである。

しかし、20年以降の10年に目を向けると未来に起こる大きな変化に希望を見い出すことができる。人口の高齢化や技術革新の進展と自動化、資源の減少などが将来に機会を作りだすからだ。この10年、世界の変化に対して、どう考えるべきか───そんな思いを巡らす時、バークシャー・ハサウェイを率いる投資家ウォーレン・バフェットの言葉が、多くの示唆を与えてくれる。

バフェットの“格言”として「今日誰かが木陰に座っているのは、ずっと前に誰かがそこに木を植えたからだ」というものがある。短期間で投資の成果を得ようとするのではなく、時間をかけ、将来に向けた計画を立てて行動することの大切さを説いたものである。

見えてきた“今後10年”の投資トレンド

もうひとつ、今後10年の投資トレンドを考える際の指針となるのが、世界の富裕層が抱える課題にフォーカスしたUBSウェルス・マネジメントのグローバルな市場調査、「Investor Watch」だ。

UBSでは、世界中の富裕層、金融機関、事業法人の顧客に対して金融に関する助言とソリューションを提供している。最先端の調査力でグローバル投資家に調査を行い、そのニーズ、目標、懸念を把握してきた。同調査から向こう10年のトレンドがうかがえる。

「Investor Watch」は、ブラジル、中国、ドイツ、香港、イタリア、日本、メキシコ、シンガポール、スイス、台湾、UAE、英国、米国の3,400人以上の富裕層投資家を調査しており、最新のレポートからは、今後盛り上がってくるであろう分野の輪郭が見えてくる。

投資家の見通しは、「20年は市場が大きく変動する」。79%の投資家がそう感じており、また、72%の投資家が、投資環境が5年前よりも厳しくなったと回答している。

それは、なぜか。66%と投資家の多くが「市場は米中貿易摩擦や自国の政治環境、20年の米国大統領選挙といった地政学的イベントによって動く」と考えているからだ。そうした厳しい投資環境を見据えて、投資家の64%がポートフォリオに株式の優良銘柄を加えることを検討。さらに、資産クラスの分散を広げる(62%)キャッシュを増やす(60%)といった投資戦略の模索をしている。すでに投資家は資産の平均25%をキャッシュで保有しているにもかかわらずだ。

一方で、投資計画を作成している投資家ほど、パフォーマンスへの自信の強さが明確に現れており、長期の計画を立てている投資家の3分の2が、目標を達成できる自信があると回答した。

長期リターンを楽観視する投資家

今回の「Investor Watch」で目を引くのは、7割の投資家が次の10年間のポートフォリオの長期リターンを楽観視している点だ。米国の投資家の69%、欧州・中東・アフリカの投資家の72%、アジアの投資家の65%、グローバル全体では実に69%の投資家が今後10年間の投資リターンについて楽観的だ。その鍵となるのは、世界を変える「メガトレンド」の行方だ。投資家が次の10年に影響を及ぼすと考えるトレンドの上位5つのテーマは、「人口の高齢化(87%)」「スマート・テクノロジー(86%)」「自動化の進展(85%)」「人工知能[AI])(85%)」「天然資源の減少(82%)」。

テクノロジー、ヘルスケア、エネルギー関連セクターが今後10年のメガトレンドで最も恩恵を受けると見ている。そして、大部分の投資家が、自分のポートフォリオを予想されるトレンドに一致させたいと考えている。 

ここで面白い傾向が見られた。34歳以下の若年層の投資家ほど今後10年に予想される変化を受け入れる傾向が高く、メガトレンドで生まれる投資機会を楽観視している。そして、若年層の投資家の84%が、長期的な投資機会を利用しようと自分のポートフォリオを調整してもよいと考えている。それに対し、51歳以上の投資家の関心は30%にとどまっている。

もうひとつの傾向として、サステナブル投資(SI)があげられる。投資家の82%は、サステナブル投資に関心がある。そして、次の10年で対処しなければならない最も重要な課題が、浄水(清潔な水)と衛生設備、十分な医療の提供、環境の汚染と破壊であると認識している。

現時点で投資を実践している投資家は半分に満たないが、過去5年間でサステナブル投資への資産配分を高めてきており、今後もこの傾向は続くと予想される。特に、若年層の投資家ほどサステナブル投資への関心が高い(83%)ことも注目だ。

地域によっても、サステナブル投資への取り組みに違いがある。投資をしている投資家の割合は、米国投資家が27%と、ラテンアメリカ(69%)やアジア(55%)といった他の地域と比べても、極端に低くなっている。

2020年から始まる10年間は、人口動態の変化が大きな影響を与えるという見方ができる。米国では最も層の厚い1981〜96年生まれの世代が50歳を迎え、また、ベビーブーマー世代(1946〜64年生まれ)の最後の層が引退する。

今までとは異なる10年の始まり。未来の変化を予測し、将来を見据えて安定した投資戦略を立てるための「InvestorWatch」は下記より確認できる。

UBS「Investor Watch」のダウンロードはこちら>>


節目となる2020年の動向、UBSはこう見る



日本にとって節目の年となる2020年の動向を、UBSはどうとらえているのか。

UBSウェルス・マネジメント チーフ・インベストメント・オフィス日本地域最高投資責任者(CIO)の青木大樹は、2010年UBS証券入社後、エコノミストとして経済調査、外国為替を主に担当。UBS入社以前は2001~2010年までの9年間、内閣府にて政策企画・経済調査にも携わってきた。そんな青木の見通しはこうだ。

「投資家は2020年も不確実な市場環境が続くことに警戒を抱いている。米中問題や米国大統領選挙、ブレグジットなど、市場が短視眼になりがちな状況だからこそ、今後10年の変革を見据えた投資も進めて行くべきであろう」

目の前の不安は確かにある。ただし、「中長期的な投資」という選択肢は無視できないものだ。


ーセミナー・イベントのご案内ー

UBSウェルス・マネジメント新春特別セミナー
Year Ahead 2020 選択の年 - 変革の10年が始まる

◎東京:2020年1月16日(木)
◎名古屋:2020年1月21日(火)
◎大阪:2020年1月23日(木)

※セミナー情報は下記UBSウェルス・マネジメントのウェブサイトをご覧下さい。

UBS銀行

https://www.ubs.com/jp/ja/wealth-management.html
UBS「Investor Watch」ダウンロード
http://bit.ly/2YCMtT5

青木大樹◎UBSウェルス・マネジメントCIO(日本地域最高投資責任者)。2010年8月、エコノミストとして入社後、インベストメント・バンク、ウェルス・マネジメントにて経済調査、外国為替を担当。

※米調査会社シュック・リサーチ、Forbes調べ。2018年度分
※実際に受益者まで資金が届いた寄付のみが対象

Promoted by UBS銀行 /text by Forbes JAPAN BrandVoice Studio / illustration by Sadahira Nagai

あなたにおすすめ