「自動運転をオープンソース化」するAptivと現代自動車の試み

Aptivの技術が搭載されたBMW(Michael Vi / shutterstock.com)


現代自動車とジョイントベンチャーを設立

レベル3(条件付き運転自動化)はメーカーと消費者のコストが急激に上昇し、レベル4〜5になるとコストはさらに上昇する。De Vosは、「消費者が買いたいと思えるような価格になるまでシステムコストを下げる必要がある」と述べ、AptivのSVAはそれを実現する上で大きな役割を果たすと主張する。

Aptivは今年9月、現代自動車とレベル4とレベル5の自動運転システムを開発するためのジョイントベンチャーを設立すると発表した。開発したテクノロジーは、自動運転タクシーの運営企業や運送業者、自動車メーカーに提供するという。

計画によると、自動運転車の初期配備は2020年で、2022年に既存ネットワークの中で限定的に配備した後、2025年までに台数を増やしていくという。自動運転車は、ジオフェンス技術を用いて仮想的な境界線で囲まれたエリアから出ないよう制御する。

Aptivと現代自動車のジョイントベンチャーはエクスクルーシブではないため、双方がティア1のサプライヤーやOEMと自由に協業することができる。また、共同事業から生み出された技術やコスト削減効果、研究成果なども各々が活用できるという。

De Vosによると、自動車メーカーは革新的な技術を自社内にとどめる習慣があるため、オープンソースのシステムを売り込むのは簡単ではないという。それでも、AptivのSVAを一度試せば、その優れたコンセプトを理解してもらえることをDe Vosは期待している。

編集=上田裕資

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