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地方の現場から見た教育の今


ICTで効率化できるものは?

運動会(体育大会)で、これまでICTの進歩で効率化されたものもある。流す音楽は、かつてはカセットテープを使っていたが、CDを経て、いまはデジタル音源を使う。タブレット上で流す曲を指で選択して再生する。係の子どもたちもタッチでポンだ。また、電卓で計算していた競技の得点も、タブレット上のスプレッドシート(表計算)で計算し、すぐに結果を表示することができるようになった。

しかし、それ以外の作業は、この十数年少しも変わったという印象がない。先ほど述べた「マンパワー」でしかできないことがほとんどだからだ。

ここまで考えてみると、この夏話題となった「運動会の半日短縮」というのは、とても理にかなっている改善策だ。全体の競技数が減ることで、全体の係としての活動、作業量、練習量が激減する。これは教員だけでなく子どもたちの負担軽減にもなる。

さらなる改善のアイディアを考える

アナログな作業が多いため、ICTでさらに改善できることは少ないかもしれないが、次のようなネットを活用した工夫などができるだろう。

・ネットによる運動会実施延期等のお知らせ……私の地元では早朝の花火により運動会が実施されることを知らせるが、それでも問い合わせはある。
・動画中継による運動会のネット観覧……遠くにいる祖父母や学校に来ることが難しい人も自宅から見ることができる。

これらのことは、すでに取り組んでいる学校もあるのではないだろうか。

また、違う視点からの効率化の例も挙げておこう。アナログな作業が減らないのは、器具や放送設備、子どもたち保護者用のテントなどが、普段はグラウンドに常設されていないからだ。

私の地元のある中学校の体育大会は、学校のグラウンドではなく校区内にあるドーム施設(サッカー、ラグビー、陸上競技用)を借りて行っている。観客席は子どもたちや保護者用の席として使う。放送設備は常設されている。トラックには陸上競技専用レーンが設置されている。おまけに施設に付属する駐車場には保護者の車も停めることができるだろう。

実施できる競技の制限はあろうが、考えただけでも、かなりの作業が軽減される。このように、既存の施設を借りたり、作業負担が大きい係を外注したりすることで、効率化が図れるのだ。

運動会という行事に、子どもたちの日頃の運動や特別活動の成果を見せ、子どもたちに充実感を味わわせる役割があることについては、否定する保護者はほとんどいないだろう。しかし、これからの時代、子どもたちや先生たちの負担軽減という面からも、学校や保護者ともに、さまざまなアイディアを出し、「新しい運動会(体育大会)のかたち」を考えていくときではないだろうか。

連載:地方の現場から見た教育の今
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文=望月陽一郎

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