米LAで「全自家用車の3割をEV化」計画、2028年までに達成へ

Photo by egd / Getty Images

慢性的な交通渋滞が問題となっているロサンゼルスが、排ガス規制に対する新たな構想を打ち出した。2028年のオリンピック開催都市であるロサンゼルスは、それまでに温室効果ガスを25%削減するという目標を掲げた。

その実現に向けて、市は日産やテスラ、BMW、アウディに加えEVバスメーカーの「プロテラ(Proterra)」やBYD、公営・民営の電力会社の協力を仰ぐという。

エリック・ガーセッティ市長をトップに、ロサンゼルス市や周辺コミュニティ、民間企業などで構成される交通の電動化を目指す団体「Transportation Electrification Partnership」は、今回発表された「Zero Emissions 2028 Roadmap」の中で9年後に向けた具体的な目標を設定した。

その中には、ロサンゼルス地域の道路を走行する自家用車の30%をEV化するほか、ロサンゼルスとロングビーチの港を出入りする商用トラックの40%を無公害にするといった内容が含まれる。これらの目標を達成する上では、EV用充電インフラを充実させることが不可欠だ。そこで、ロードマップにはEV充電器を一般車両用に8万4000台、トラックなどの輸送車両用に9万5000台設置する計画が盛り込まれている。

「気候危機に対応するためには、官民が協力し、排ガス規制を強化したり、無公害の輸送手段の導入を加速させる必要がある。ロサンゼルスの取組みが世界中の都市のモデルケースになり、将来に渡って人々の健康と生活の質を向上するための政策の実現やグリーンエネルギーの導入に力を注ぐことを期待する」とガーセッティ市長は声明の中で述べた。

ロサンゼルス地区は米国で既に最大のEV市場だが、プログラムが掲げる目標を達成すれば、その規模は格段に大きくなる。州や市による補助金交付や、充電設備の充実もEVの普及に大きく貢献するだろう。今回のロードマップは、2018年に発表されたものよりも詳しく取り組み内容を説明している。
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編集=上田裕資

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