ビジネス

2019.12.10 15:00

起業家は「本質主義」で方向性を決め、「根拠のない自信」で事業を推進すべき|div 真子就有


「根拠のない自信」を作るのは、成功体験に他なりません。特に、幼少期から10代にかけての成功体験の積み重ねが重要だと感じています。

私の場合、小学生の頃の工作でも、誰よりもユニークなものを作ることに命をかけてましたし、前の晩に徹夜して作って図工の時間に完成品を持っていく、みたいなこともやっていました。(笑)とにかく目立ちたがりというか、「一番凄いの作ったね!」と言われたくて頑張る子どもでした。

創意工夫を全面的に肯定される環境で育ち、数多くの成功体験を幼い頃から積めたことが、今の「根拠のない自信」に繋がっていると感じます。

──その自信が打ち砕かれそうになった瞬間はありますか?

それが打ち砕かれないんですよ。(笑)

今後も、人生どんな状況にあろうと、自分に無力感を感じることはないと思います。窮地に追い込まれてもすぐ気持ち良くなってしまう。生命の危機を感じるところまでいったらわかりませんが、少なくとも崩れるのが社会的な評価のレベルだったら自信はびくともしないと思います。

──2つ目の素養として「本質をとらえる力」を挙げていらっしゃいましたが、これはどういうことでしょうか?

表層的な問題や常識に囚われて、本当に解くべき問題を見落とさないことを大切にしています。例えば社内であれば「この問題の本質はなんだろう」と常に問いかけるようにしています。

起業家は、人々がまだ気付いていない問題に取り組まなければいけません。学校のテストと違って解くべき問題は誰も教えてくれません。

また、「本質をとらえる力」とは、「常識を疑う力」と言い換えることができます。

例えば、TECH::CAMPを始める前、プログラミングを身につけるのは数年以上かかる大変なものだとイメージされていました。学生の頃、プロのエンジニアに相談しても、苦労して覚えるのが当たり前だと言われました。

しかし、私は実体験から、この問題の本質はプログラミングの難しさではなく、「1人で悩んでいる時間の長さ」にあると考えました。この「1人で悩んでいる時間の長さ」を最小化することができれば学習効率は劇的に向上すると確信し、後にTECH::CAMPを立ち上げることができたのです。
次ページ > 3つ目の素養とは──

文=下平将人|提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

ForbesBrandVoice

人気記事