来年は夏に流行? インフルエンザの正しい「傾向と対策」

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冷え込みも厳しくなり、風邪やインフルエンザが流行する時期に入った。厚生労働省は、インフルエンザが全国的に流行期に入ったと11月15日に発表した。

いまの時代、「頭が痛い」「体が怠い」などの体調不良に気がつくと、「風邪か? インフルエンザか?」とついついインターネットで検索し、自分で判断してしまう人も少なくないだろう。しかし、ネット上には玉石混淆の情報が溢れている。ここで、インフルエンザに関する正確な情報をあらためて整理したい。

「風邪もインフルエンザもウイルスが原因です。ですから、インフルエンザは風邪の一種と言えます」。こう説明するのは、藤巻耳鼻咽喉科医院で小児科を担当し、日々インフルエンザの患者と接している小児科専門医、藤巻有希だ。


藤巻耳鼻咽喉科医院 藤巻有希

一般的な風邪に比べると、インフルエンザは感染力が強い。免疫力が弱い高齢者や乳幼児が罹患した場合、重症化しやすく、最悪死に至るケースさえある。また、高熱や関節の痛みなどの症状が強く、風邪に比べると症状が重いのが特徴だ。

「ただ、インフルエンザに罹患しても高熱が出ない方も少なからずいます。また、同じくリンゴ病などのウイルス性でも同じように関節の痛みが出ることもあります」

それでは、インフルエンザか、一般的な風邪かを見極めるにはどうしたら良いのだろうか。「発熱後、直ちに検査をしてもウイルス量が少なく偽陰性になる可能性があるので、37度代後半から38度以上の体温が8~12時間続いたら、インフルエンザの検査を受けることをおすすめします」。発熱しないが、関節の痛みなどインフルエンザと疑われる症状が出た場合も、病院で検査を受けたほうが良いだろう。

自らの症状をなかなか言語化できない子どもの場合は、発熱しているかどうかに加え、飲食が普段通りかどうか、また呼吸が苦しそうかどうかが受診する目安になるという。また、幼稚園や保育園、小学校などの、所属しているコミュニティでインフルエンザが流行しているかどうかも目安のひとつとなる。

インフルエンザと診断された場合、大人の場合、タミフル、リレンザ、イナビル、ゾフルーザ、重症者にはラピアクタが処方される。発熱日を0日目とし、5日間は自宅安静にし、感染拡大を防ぐことが大事だ。
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文・写真=本多カツヒロ

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