「世界のテック系企業のCEOらは、アフリカへの関心を高めている」とGSMアソシエーション幹部のMax Cuvellierは話す。
近年では2015年にエアビーアンドビーのブライアン・チェスキーや、マイクロソフトのサティア・ナデラがアフリカを訪問したのを皮切りに、翌2016年にはフェイスブックのマーク・ザッカーバーグがケニアとナイジェリアを訪れた。
グーグルのサンダー・ピチャイも2017年に、さらにアルファベットのセルゲイ・ブリンも2018年にアフリカを訪れた。アリババのジャック・マーは2017年にアフリカを初訪問した後、2018年に2回、そして今年に入ってからも現地を訪れた。
「テック業界のCEOらには、アフリカを単なる市場として捉えるのではなく、現地の起業家と共にイノベーションを生み出そうとする姿勢が見られる」とCuvellierは話す。
ジャック・マーは昨年、優れたアフリカの起業家を称える賞のAfrica Netpreneur Prize Initiativeを設立した。11月にその賞の初の受賞者として、ナイジェリアのLifeBankの女性創業者のTemie Giwa-Tubosunが選ばれた。
Cuvellierによると近年、テック業界の大手はアフリカ企業と緊密な関係を築くようになっている。グーグルは2018年に、ガーナのアクラにAIラボを設置すると宣言したが、今年に入りそのラボがいよいよ開設された。
さらに、エチオピア政府は11月にアリババのEコマースプラットフォーム「eWTP」への参加に向けた覚書を締結した。eWTPに参加するのは、アフリカではルワンダに次いでエチオピアが2カ国目となる。
Cuvellierによると、この背景にはアフリカにおけるモバイルの普及の高まりがあるという。GSMAのデータによると2019年7月時点で、アフリカでのモバイルの契約件数は、サブサハラ地域だけでも4億5600万件に達し、世界で最も急速にモバイルが普及しているエリアとされた。
また、全体の52%にあたる2億3900万人が日常的にモバイルインターネットを利用中という。「デジタルネイティブと呼ばれる若い世代の中では、モバイルマネーの利用も急速に拡大中だ。アフリカは今後、世界の大手テック企業が見逃せない、巨大な市場に発展する」と、Cuvellierは続けた。