ビジネス

2019.12.27

人類史に貢献する経営者に 「次世代の建設技術」を創造する起業家

プライマルキャピタル代表パートナー・佐々木浩史(左)とフォトラクション代表取締役CEO・中島貴春(右)

中島貴春は2016年3月、建設・土木の生産支援クラウドを提供するフォトラクションを創業した。建築、土木生産者がスマートフォンで撮影した建設現場の写真をクラウド上で整理・共有するサービス。

一般的なビル建築で数千枚、大型建築で15万枚に上る建設現場における工事写真の撮影、整理、管理にかかる作業コストを10分の1に削減。17年11月のサービス提供開始から、導入プロジェクトは3万件に上る。19年3月には、あいおいニッセイ同和損害保険と共同で、建設業のサイバーセキュリティを担保する保険商品の提供も開始した。
 
プライマルキャピタル代表パートナーの佐々木浩史は16年4月のシードラウンドから同社へ投資を行い、支援している。


佐々木:出会いは15年10月、起業家・エンジニア養成学校「G’sACADEMY TOKYO」の卒業制作発表プレゼンテーションの場。中島さんは当時、前職・竹中工務店に勤務していました。起業に関する知識も多くはなかったので、会社登記を含め、起業に関連することをすべてこちらで行うと言い、条件もすぐに出しました。それから中島さんが会社を辞める決断をするまで、隔週ペースで何度も議論をしました。
 
投資をした理由は、中島さんはこの「建設」という事業領域に取り組むしかない起業家だからというのが大きいですね。建設業界をよくしたいという大志やロマンがあり、それを自分がやりたいという野心や責任感もある。「建設しかできないし、これで成功するしかない」という逃げ場がない人。最初にお会いした際に聞いたのはその確認でした。

中島:佐々木さんに投資をしてもらった理由は、「面白いから一緒にやりたい」とわかりやすく言ってくれたこと。今後、一緒にやっていくなかで、言いたいことが言えて、かつ、「ダメなときはダメ、いいときはいい」と言ってもらえる関係が築けると思ったからです。
 
佐々木さんとは、常にコミュニケーションをとっているので、このアドバイスがよかったというのは数多くあり思い出せません。ただ、創業時、「よいプロダクトを作るためには時間がかかる。短期的に売れたとしても価値を出さないと意味がない」と思ってくれて、ローンチを急かされなかったことはありがたかったです。
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文=山本智之 写真=平岩 享

この記事は 「Forbes JAPAN 「スポーツ × ビジネス」は、アイデアの宝庫だ!12月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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私がこの起業家に投資した理由

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