部下が将来の上司候補を面接すべきでない理由

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第一印象はいつまでも消えない。新たなリーダーが、今後直属の部下となるかもしれない人と初めて顔を合わせるのが採用面接の場だった場合、力のバランスが逆転している。

この場合、部下は面接でより強い力を持つが、新たに上司となる人はその後、相手よりも強い力を持つこととなる。問題は力そのものではなく、こうした力の均衡の逆転により、そのままでもストレスにあふれた面接がさらに複雑化してしまうことだ。

結論として、新たな上司が内定を受けるまでは、部下となる予定の人と会わせることがあってはいけない。

上司に内定を出す前の、面接ではない非公式な面談はダメなのか

このようなものは存在しない。内定をもらう前は全てが面接の機会になる。採用する企業に関わる人と交わした会話や気楽なやりとりからは、採用可否の判断に影響を与えかねない情報が伝わる可能性がある。そのため内定前には、面接ではない非公式な面談などは存在しない。

ここで、私がこれまでに相談を受けたある例を紹介する。(守秘義務を守るため、一部の情報は隠されている)

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「私が、最高財務責任者(CFO)とその同僚らと行った面接は非常にうまくいきましたが、直属の部下との面接はそうではありませんでした。私はその日体調が悪く、熱があり、直属の部下になる予定の人たちと初めて面接をするときには目まいがして、具合がとても悪くなっていました。私は確実に最高の状態ではありませんでした。水を飲み干してしまい、答えが頭に浮かばず苦労しました。

2人の財務系管理職は非常に攻撃的で、私は守りの姿勢になりました。2人は、私の職務経歴書が正確ではないとほのめかし、私が応募していた職務は外国為替の実務を担うポジションではないのに、外国為替についての質問を浴びせました。私は、自分の役割は外国為替を管理・監督することであり、為替の日常業務を担当する専門家は他にいると説明しました。

体調が優れていれば、よりはっきりと明確に考えを述べることができたでしょう。この後、外国為替の監督者と1対1で面談しました。彼女も、私の職務経歴書が少し誤解を招くものであると示唆しました。私はそれが真実ではないにもかかわらず、愚かにもそれに同意してしまいました。私はその時点で非常に気分が悪くなり、熱でくらくらしていました」
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翻訳・編集=出田静

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