部下が将来の上司候補を面接すべきでない理由

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「私はその後、この会社からわずか2日ほどで内定をもらいました。CFOや他の役員が私に良い印象を持っていたことは知っています。しかし私が懸念しているのは、自分の直属の部下になる人から良い印象を持たれておらず、この職務で成功を収めるための威信や部下からの信頼を集められていないのではないかということです。これが、克服できないリスクなのではと心配しています。自分にこの仕事をこなすため必要な技術的スキルがあるのは理解しているので、長期的に自分の能力を証明することについての懸念はありません」

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このケースでは、全ての関係者がマイナスの影響を受けている。新たな上司となる役員に対する管理職の第一印象は完璧ではないし、新たな上司が今後、自分の管理下に入る直属の部下に対して持った印象も完璧ではない。両者が最初の気まずい出会いを克服できればよいなと思うが、それでも立て直しのためにすべきことは多い。

もう一つの考え方

現在あるものを守る方が、新たなものを探し回るより確実で安全だという意見がある。この論理に従えば、部下が新たな上司と面談することは良いとされる。例えば次のような考え方だ。

「当社には今、強いチームがいる。新たなリーダーがもたらす破壊を最小限に抑えるのが重要だ。その方法の一つは、誰が新たな上司になるかについてチームに発言権を持たせること。こうすることで、上司を探すプロセスにチームを関与させることができ、新たなリーダーが入社してもチームのメンバーが会社に残る可能性が上がる。

チームが強固なものであれば、新たなリーダーは必要ないかもしれない。チームは現在報告している人に報告を続けることができるかもしれないし、自己管理型チームになれるかもしれない。これらは全て、合理的な選択肢だ。

しかし、もしチームに新たなリーダーが必要で、チームから誰かを昇進させてリーダーにする選択肢がない場合、新たなリーダーが成功する可能性を最も高めるためには、採用前に部下になる予定の人と面接をさせてはいけない。

翻訳・編集=出田静

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