風格と時代を超えるモダンさを併せもつジュエリー|紳士淑女の嗜み

フレッド「フォース10」シリーズ

Forbes JAPAN本誌で連載中の『紳士淑女の嗜み』。ファッションディレクターの森岡弘とベテラン編集者の小暮昌弘が「紳士淑女が持つべきアイテム」を語る。今回は12月号(10月25日発売)より、「フレッド」のブレスレットをピックアップ。


小暮昌弘(以下、小暮):今回取り上げるのが、高級ジュエリーブランド、フレッドですね。

森岡 弘(以下、森岡):紳士淑女の嗜みが連載ページのタイトルですが、これは淑女の憧れのブランドです。でも最近、紳士でも身に着けていらっしゃる人が多いですね。それくらい人気。

小暮:1936年にフレッド・サミュエルがパリのロワイヤル通りに初めてのブティックを開いたそうです。そのブティックが当時社交場として著名人が集まるマキシムの向かいだったこともあって、彼がつくった創造性あふれるジュエリーは本物を知り尽くした人々の目に留まり、高い評価を得るようになりました。

森岡:マレーネ・ディートリッヒやカトリ ーヌ・ドヌーブなどのセレブリティたちがすぐに顧客に。各国のロイヤルファミリーにも愛され、なかでも有名なのが、故グレース・ケリーで、モナコ王室御用達となり、パリに続いてモナコやカンヌにもブティックを開きました。

小暮:もう15年以上前でしょうか、モナコやカンヌを取材したときに、有名ブティックが立ち並んでいる光景を目にしましたが、そのなかにフレッドの名前も見たような気がします。映画『プリティ・ウーマン』(1990年)で、実業家エドワード(リチャード・ギア)が相手役のビビアン(ジュリア・ロバーツ)をトップレディーに変貌させるために贈ったネックレスがフレッドのものでした。

森岡:まさに女性=淑女の憧れの逸品として、映画ではフレッドを取り上げているわけですね。「パン ドゥ スークル」「エイト デグリーゼロ」など、さまざまなコレクションを展開していますが、定番としていちばん有名なのは「フォース10」というシリーズです。

小暮:創業者フレッド・サミュエルの長男が、愛する妻のためにヨットのケーブルを金具で留めてつくったブレスレットが「フォース10」の始まり「フォース10」とはセーリング用語では、帆が上げられないほど強い風のレベルを意味しています。

森岡:このブレスレットを見ていると、フレンチリヴィエラのラグジュアリーなマリンスタイルを連想させますね。
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photograph by Masahiro Okamura | text by Masahiro Kogure fashion direction by Hiroshi Morioka | illustration by Bernd Schifferdecker edit by Akio Takashiro

この記事は 「Forbes JAPAN 「スポーツ × ビジネス」は、アイデアの宝庫だ!12月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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