カービオスのマルタン・ステファン(Martin Stephan)最高経営責任者(CEO)代行によれば、同社の目標は、リサイクルの水準を高めると同時に、石油から新たなプラスチックを製造するニーズを低くすることにあるという。

カービオスの処理工程は、「石油化学製品と同程度のコストになる」と、ステファンは話している。さらに、同社の酵素リサイクル処理は、新品のプラスチックを製造する場合よりも消費エネルギーが少ないという。

フランスを拠点とするカービオスは、プラスチック製品に依存する大企業に向けて、自社のプロセスをライセンス提供したいと考えている。同社は最近、リヨン近くに実証プラントを起工したばかりだ。「プラスチックの生産を終わらせる方法を開発する必要がある」とステファンは言う。同氏は、化学業界(デュポンおよびエルフ/トタル)で長年の経験を積んだあと、2017年にカービオスに加わった。

カービオスは2011年に創業し、2年後に株式を公開した。画期的製品になる可能性がある技術を開発しているバイオテック系スタートアップの例に漏れず、同社も現在は利益を出していない。だが、まだ大企業の顧客が名を連ねる段階に達していないとはいえ、同社では売上が増加し、損失が減りつつある。

ユーロネクストに上場したカービオスの株式は、新規株式公開(IPO)時の価格から3分の1ほど下落しているが、過去3年間は8ユーロ(約970円)の価格帯で取引されている。ステファンは、どこかの時点でアメリカの株式市場に上場したいと話している。

ロンドンを拠点とする投資銀行ブライアン・ガルニエによる、カービオスに関する調査リポートには、「すべてが計画どおりに進んでいる」と書かれている。このリポートでは、カービオス株のフェアバリュー(適正価格)は15.5ユーロ(約1870円)とされている。

カービオスの競争相手のひとつが、シリコンバレーに本社を置き、プラスチックを細かく切って液化する技術を開発しているバイオセレクション(BioCellection)だ。そのほか、この問題に取り組んでいる企業としては、カナダのループ・インダストリーズ(Loop Industries)、イタリアのガルボ(Garbo)、オランダのイオニカ・テクノロジーズ(Ioniqa Technologies)などがある。各社が採用している手法は、それぞれに異なる。2016年には、日本の研究グループが、細菌にプラスチックを「食べさせる」手法を開発した。

だが、どのアプローチをとるにせよ、それが必要とされていることは明白だ。1950年代以降、推定83億トンのプラスチックが製造されているが、リサイクルされたのは、そのうちわずか9%だ。

そうした膨大な量のプラスチックを、よりうまく再利用する方法を商業化した人は誰であれ、環境に貢献することになる。そして、その技術に投資する者たちにも貢献することになるだろう。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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