アメリカの大学中退者は全人口の14%

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学位を取得せずに大学を中退したアメリカ人は数千万人規模、全人口の14%に上ることが、アメリカ学生情報センター研究所(NSC:National Student Clearinghouse Research Center)による新たな報告書で明らかになった。

大学を中退したからと言って、必ずしも学業の道が断たれたわけではないと、NSC報告書は注意を促している。勉学をいったん中断しても、大学に入り直すことは可能だ。とはいえ、そうする学生はほとんどいない。また、たとえ入り直したとしても、学位取得にこぎつける人となるとさらに少ない。

大学に在籍したことはあるが学位を取得していないアメリカ人の数は、2014年は2900万人だった。これは、同年の大学入学者数よりも多い。

学位未取得の大学在籍経験者2900万人をNSCが調査したところ、その後の5年間で大学に入り直した人はわずか380万人(13%)だったことがわかった。再入学した人のうち、学位を取得した、または今も在学中だという人は、半分にとどまっている。

大学中退者は、学位を取得して卒業した人よりも収入が少なくなりがちだ。社会経済学的な階層においては、学位取得者よりも高卒者にずっと近い。学生ローンを抱えている場合、中退者は返済できない可能性がかなり高い。

中退者の69%は、退学前にコミュニティカレッジ(公立の2年生大学)に通っていた。中退してから復学した者の6割近くはコミュニティカレッジに復学している。ただし、公立および私立の4年制大学に通っている者もそれなりにいる。

大学に入り直したい中退者にとっては、オンラインの通信課程も良い選択肢のようだ。中退者のうちオンライン課程で学んでいた人は4%だけだったが、入り直した中退者のうちオンライン課程で学ぶことを選んだ割合は、その3倍の12%だった。オンライン課程の柔軟性が、学位取得を目指しながら仕事と家庭のバランスを取りたいと考えていると見られる学生たちをひきつける大きな要因となっているようだ。

また、最初に入学してから中退するまでの間で、単位を多く取っている人のほうが、学業に復帰しやすい。少なくとも2年間分の単位を取得してから中退した人のうちの24%が、NSCが調査した期間に復学を果たしているが、全体では復学率は13%だった。しかし裏を返せば、在籍中に2年分かそれ以上の単位を取得した学生の76%は、学位取得に近い位置にいながら、大学に戻らなかったということだ。

中退者のうち200万人近くが、大学に戻って学位を取得したか、あるいは取得を目指していると聞くことは勇気づけられる。とはいえ、そうしたサクセスストーリーを実現した人は、2014年現在の大学中退者2900万人のごく一部にすぎない。大学を中退する人は年々増加しており、学位取得までの道は依然として険しいままだ。

翻訳=ガリレオ

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