NATOの独立機関「Strategic Communication Centre of Excellence」は3カ月をこの調査に費やし、フェイスブックやツイッター、インスタグラム、ユーチューブ上で105件のエンゲージメントに対し、対価を支払ったという。
支払った費用は合計でわずか333ドルだったが、偽のエンゲージメントを販売する11社のロシア企業と5社の欧州企業によって約3500件のコメントと、2万5000件のいいねが生み出され、新規で5000件のフォロワーが発生した。
その後、調査担当者はフェイク情報を拡散する1万8739件のアカウントを特定し、フェイスブックやツイッターらに報告したが、3週間が経過しても、95%のアカウントがそのまま放置されていた。
プラットフォーム別で、最も適切な対応を行ったのはツイッターで、約半数のいいねやリツイートが削除されたという。一方で、フェイスブックはごく限定的な数のアカウントを削除したのみだった。
同団体によると、偽アカウントの削除対応に最も熱心でないのがユーチューブで、最も低コストで言論操作が可能なのがインスタグラムだという。
「偽の情報を拡散する業者らは、大手のプラットフォーム上で、堂々とサービスの告知を行っている」とStrategic Communication Centre of Excellenceは指摘し、テック企業の怠慢ぶりは明らかだと非難した。
ユーチューブの広報担当はこの件に関し、次のように述べている。「完璧なスパム検知ソフトウェアが存在しない中で、当社のチームは悪影響を最小限に抑える努力を行っており、スパム投稿を全体の1%以下に抑えている。今後もさらなる対策を講じ、システムの健全性を維持していく」