アメリカ企業エルブランズ(L Brands)傘下のヴィクトリアズ・シークレットは、「エンジェル」と呼ばれるモデルたちが、大きなウィングと「PINK」(若年層向けブランド名)というロゴで飾り立てられたランジェリーを身につけてキャットウォークを闊歩するショーで有名だった。しかし最近は、現代のカルチャーに付いていくのに苦戦している。
その一方、リアーナの下着ブランドは、131億ドル規模の米女性下着業界において、ビジネス面でも文化面でも中心的存在となった。それを追随するかたちになったヴィクトリアズ・シークレットは苦境に立たされている。
背景
サベージxフェンティは2019年9月、5000万ドルの資金を調達。優れた製品とファッションショーを通じてインクルーシブな下着を広めていくという使命の継続を目指している。
一方、ヴィクトリアズ・シークレットには、優れた製品とショーの両方が欠けていると、ビジネスニュースサイト「カルチャーバンクス(CultureBanx)」は指摘している。ヴィクトリアズ・シークレットがテレビ放映するショーは、2011年には1030万人をひきつけたが、視聴者数は下降の一途をたどっている。2017年は500万人、2018年12月に開催されたショーではわずか330万人という数字だった。
時代遅れのテレビ放送によるショーを中止したヴィクトリアズ・シークレットとは異なり、サベージxフェンティは、2019年9月に2度目となるファッションショーを開催した際に、Amazonプライム・ビデオでストリーミング配信することを選んだ。200か国以上に1億人いるプライム会員は、クールでヒップな同ブランドのファッションショーを見ることができたのだ。
このショーには、あらゆる体形やサイズの女性たちがモデルとして登場。人種も多様で、同ブランドが提供するメイク製品のほぼすべての色合いの人が揃った。リアーナの化粧品ブランド「フェンティ・ビューティ(Fenty Beauty)」は、事業を開始した初年度に5億5800万ドルを売り上げた。