エネルギーの未来を変える「人工ひまわり型太陽光パネル」

Kanyapa Fuangvudhiran /Shutterstock.com

小さなひまわり型の太陽光収熱器が自宅の屋根を覆い、家庭の消費電力の全てを発電する未来がやってくるかもしれない──。カリフォルニア大学ロサンゼルス校とCalifornia Nanosystems Instituteがそれを実現できる技術の開発に成功した。

ひまわりには動いていく太陽の方向に向く性質があり、これによって太陽エネルギーを最大限に活用している。太陽光収熱器も同様に、1日を通して太陽の方を向いていた方が集熱の効率が高くなる。しかし、これまでは光源を特定してそれを追えるような人工素材が無かった。

そこで研究チームは光に反応するナノ構造のポリマーを用いて、太陽熱集熱器「SunBOT」を開発した。熱を集めるひまわりの花にあたる部分は0.04インチ(約1ミリメートル)以下と極小だ。SunBOTはどの方向からくる光でも追跡し、集熱率は通常の太陽光パネルの4倍にも達するという。

また、SunBOTに使われたテクノロジーは太陽熱を集める以外の用途にも使えるという。例えば音源を自動検出して追跡する極小マイクや、信号を最大限に受信するために向きを変えられるWiFiルーターのアンテナなどでの利用が想定できる。

屋根を覆いつくす無数のSunBOTによって、家の電力が賄われる日もそう遠くはないかもしれない。

編集=上田裕資

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