米GMが韓国LG化学と「EV車向けバッテリー工場」を新設

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米ゼネラルモーターズ(GM)のメアリー・バーラCEOは12月5日、韓国のLG化学と共同で、オハイオ州でリチウムイオンバッテリー工場を立ち上げると宣言した。両社の取り組みは、50対50の出資比率で総額23億ドル(約2500億円)を投じるジョイント・ベンチャーで、昨年までGMのCruzeを生産していたオハイオ州ローズタウンの組み立て工場の近隣に、新たな施設を立ち上げる。

新工場で生産されるバッテリーは、2021年に発売の電動ピックアップトラックなどの、GMのEV(電気自動車)に搭載される。

GMとLGは、シボレー・ボルトの第1世代を開発中だった2008年から協業を開始し、GMは2010年のボルトの生産開始以降のほぼ全てのEV車にLG製バッテリーを搭載している。

12月5日の記者発表でGMのバーラは「当社は2023年までに約20車種のEVをグローバルで発売する。LGとの取り組みで生産スピードを上げ、業界をリードする低コスト化を実現する」と述べた。

新たな工場は年間で、30ギガワットアワー以上のバッテリーセルの生産キャパシティを持ち、さらに拡張することも可能という。このキャパシティは年間で33万台のEVに必要なバッテリーに相当する。

新工場ではバッテリーの組み立て自体は行わず、ここで製造されたモジュールはデトロイトなどの、車両組み立て工場の近隣に運ばれる。新工場がフル稼働するのは2023年以降の見通しで、2021年に発売の電動ピックアップトラックのバッテリーはLGケミカルの工場で生産される。

バーラは新工場建設にあたりオハイオ州からインセンティブを受けたかどうかについては回答を避けたが、米国政府はこのプロジェクトを把握していると述べた。

新たなバッテリー工場では最大で1100人を雇用する見通しで、その約4分の1が閉鎖されたGMの工場で働いていた人々になる。新工場で生産するバッテリーは初期の段階ではGMの車両向けだが、バーラは将来的に他社のOEMに供給する可能性を否定しなかった。

「消費者は手頃な価格のEVを求めている。GMは次世代のEV車を生産していくにあたり、持続可能なビジネスモルを確立し、市場の需要に応えることにコミットしている」とバーラは述べた。

編集=上田裕資

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