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サンフランシスコに本拠を置くデジタル銀行「Chime」が新規で5億ドルを調達し、企業価値は58億ドル(約6300億円)に達した。伝統的な金融機関に対抗する「チャレンジャーバンク」に位置づけられるChimeは、今年3月に2億ドルを調達し、その際の評価額は15億ドルとされていた。

Chimeの評価額の高まりは、投資家らがフィンテック分野に注ぐ期待の大きさを示している。アカウント数が1000万件を超える株式アプリ「Robinhood」は今年7月に、76億ドルの評価を受けていた。

「米国の銀行分野は巨大なポテンシャルを秘めている」とChimeのCEOのクリス・ブリットは述べた。

CB Insightsによると今回のChimeの5億ドルという調達額は、南米最大のデジタル銀行NuBankが4億ドルを調達して以降、フィンテック分野で最大規模だという。ChimeのシリーズE資金調達はDST Globalが主導し、General AtlanticやICONIQ、Coatue、Dragoneer、Menlo Venturesらが参加した。

新たな資金でChimeは人員を拡大し新規のプロダクト開発に乗り出し、シカゴに新たな拠点を開設する。Chimeは先日からテレビCMのオンエアも開始し、新規顧客の獲得を進めている。

直近のデータでChimeのアカウント開設数は650万件に及び、今年の売上は2億ドルに達する見通しだ。昨年時点でアカウント数が100万件だった同社は、急激な成長を遂げている。

この分野の主導的ポジションを維持するため、Chimeはクレジットカードや投資サービスを開始する計画だ。既存の銀行に置き換わるサービスを、わずかな手数料で提供するのが同社の究極のゴールだ。

Chimeは今年9月に新機能のSpotMeをアナウンスした。SpotMeは手数料無料で利用できる、オーバードラフト(当座貸越し)機能で、一定の条件を満たせば口座に残高が無くても最大100ドルが利用できる。

Chimeの競合となるのは伝統的金融機関だけではない。グーグルやウーバーも金融サービスの開始を視野に入れている。しかし、ブリットはさほど脅威には感じていないと話す。彼によるとChimeの競合は既存の銀行で、テック企業は競争相手ではないという。

「テック業界の大手がこの分野に関心を示すのは、フィンテック分野のポテンシャルが巨大だからだ。この市場の未来は、結局のところ、既存の5つの大手銀行が握っている。そして、当社の社員の大半は、それらの銀行の出身者たちだ」とブリットは話した。

編集=上田裕資

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