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「堀」がないウーバー

筆者は個人的にウーバーのサービスが好きではない。経営するエクセルシオール・キャピタル・パートナーズでは、ウーバーのIPO後、その株価の下落を見込んだポジションから、数度にわたってかなり大きな利益を稼がせてもらっている。ミレニアル世代の人たちの間では「ウーバーのスコアは4.97」(乗客はウーバーの運転手から星5段階で評価される)などと自慢できるそうだが、さっき確認してみたところ、筆者のスコアは「3.67」となっていた。

ウーバーの運転手からは、あの悪名高いニューヨークのイエローキャブの運転手に引けを取らないほど、ひどい体験をしてきたので、筆者はもっぱら同業のリフトを使うようにしている。ニューヨークの友人には、ヴィア(Via)が気に入っている人も多い。

ヴィアはメルセデスベンツの大型バン「スプリンター」(株式非公開の運営会社にはメルセデスベンツの親会社ダイムラーも出資している)を使う相乗りサービスで、都市の移動に最適化し、実際に車の走行距離や台数を減らすことに貢献している。ウーバーがやっているのはまさにそれと正反対のことだ。

それは、ウーバーにとってリスクになっていると言えるだろう。これだけ規制が複雑になってくると、客は今後、単にウーバーを嫌悪し始め、別の選択肢を選ぶようになっていくのではないか。ウーバーには自社を他社との競争から守る「モート(堀)」がない。それは単純に言って、一つのアプリにすぎない。そのアプリは不吉な黒い色をしているが、そこからマイナスの印象を受ける消費者がいてもおかしくないように思う。少なくとも、筆者はそう感じてしまう。

理由はともかく、人々はマイスペースよりもフェイスブックを好んだ(筆者はずっとマイスペースが好きだったが)。その後どうなったかは誰もが知る通りである。ウーバーとその株主は今、非常に厳しい状況に置かれている。規制当局による不備などの指摘だけでなく、運転手らによる本物の犯罪行為の報告も相次ぐなど、悪評が後を絶たないからだ。

筆者は、ウーバーがマイスペースに、リフトがフェイスブックになるというシナリオも思い描くことができる。いずれにせよ、ウーバー株の下落に賭ける方策を引き続き練っていくつもりだ。

編集=江戸伸禎

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