ビジネス

2019.12.06

日本の素敵なものを、世界一へ。「経営スキルを併せ持ったギルド集団」が誕生

プロフェッショナルなスキルを持った人材が集まり、企業の課題解決に取り組む──いわゆる“ギルド集団”の設立が昨今、増えてきている。

最近の事例を挙げるならば、デザインファーム「Basecamp(ベースキャンプ)」や、THE CREATIVE CAPITAL「NEWS」などがそうだろう。そうした流れの中、また一風変わったギルド集団が新たに誕生した。それが「BOLD」だ。

BOLDは“どこかの素敵を、世界一にしよう”をコンセプトに掲げ、「ブランディング」「資金投資」「事業開発」という3つの軸をもとに、国内の企業にアイデア・人材・デザイン・資金を企業に投資。それによって、まだ日の目を浴びていない技術や事業構想、特許、素材の価値を高め、世界一の事業に変えていくことを目指していく。

BOLDのメンバーには、木村屋總本店7代目の木村光伯、DNX Ventures インダストリーパートナーの山本康正、芸術花火オーガナイザーの浦谷幸史、音楽プロデューサーのAkira Sunset、踊る広報の柴田菜々子、元陸上選手の為末大が名を連ね、アドバイザリーボードには、元ソニーの出井伸之、元ゴールドマンサックスの村山利栄、シニフィアン共同代表の村上誠典など、各領域の専門家が集まっている。

日本にはまだまだチャンスがある

「自分はこれまでの10年間、素晴らしい技術を持ったスタートアップや中小企業のブランディングを行ってきました。組織の規模を問わず、彼らに共通している課題は“技術を社会に実装していくかどうか”です。日本にある素晴らしい技術を埋もれさせたままにしておくのは勿体ない。素敵な技術を、素敵なメンバーと一緒に支援していけば世界一にすることができるのではないか。そんな思いから、BOLDを設立しようと思いました」

こう語るのは、BOLDの共同創業者であり、代表取締役COOの海部洋だ。彼は2009年にスタジオディテイルズを創業。自律制御で飛行するドローンをゼロからつくれる国産メーカー「ACSL(自律制御システム研究所)」のコーポレートサイトのリニューアル、圃場センシングIoTデバイスから農業のサプライチェーンの創造を目指すベジタリアのウェブサイトのリニューアル、ブランドムービーの作成、展示会プロデュースなどを手がけてきた。

こうした仕事を通して、彼が課題に感じたのが研究開発の成果、新たな技術を社会に実装できていない日本の現状だった。国内の知財(特許出願数)は世界3位ながら、約半数は社会実装されず、休眠特許となっている。
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文=新國翔大

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