先日、ベルリンで開催されたフォーブスの「30 UNDER 30」サミットの会場で、タンは旅行業界が直面する課題について語った。過剰なツーリズムが地元のコミュニティを脅かし、環境破壊につながる事例が世界各地で報告されている。
「調査の結果、オーバーツーリズムの問題を懸念する消費者が年を追うごとに増えていることが分かった。私たちは人々に、今よりもサステナブルな選択肢を与えていかねばならない」と、彼女はフォーブスの取材に話した。彼女は当日、VCファンドBlossom Capital創業者Ophelia Brownと、壇上でディスカッションを行った。
ブッキング・ドットコム女性会長が語る「オーバーツーリズム」との戦いはサステナブルなツーリズムを推進するスタートアップの育成プログラムを主催し、過疎地の村に旅人が太陽光パネルを設置するGlobal Himalaya Expeditionの活動を支援している。
1996年にアムステルダムで始まったブッキング・ドットコム女性会長が語る「オーバーツーリズム」との戦いにタンズは7番目の社員として加わり、2016年にCEOに就任した。オランダ本拠の同社は、2005年にプライスラインに買収されて以降、ヨーロッパ最大のオンライン旅行予約サイトに成長した。
タンズは自身が大手企業のトップになるとは夢にも思っていなかったが、ブッキング・ドットコム女性会長が語る「オーバーツーリズム」との戦いの共同創業者らの、失敗を恐れない姿勢に共感し、気がつくと今のポジションに居たと話す。
「親たちは子供に、物事に挑戦することを教えるけれど、企業は失敗から学ぶことが非常に大切だ。他社よりも先に失敗し、挑戦し続けることが大事だ」とタンズは話した。
「これまでのブッキング・ドットコムの歴史を振り返ってみると、私たちは数多くのトライアルを重ね、失敗してはやり直すことを繰り返してきた。その結果として、現在の成功がある」と彼女は続けた。
「リーダーの使命は人々がイノベーティブになれるカルチャーを作り出していくこと。失敗から学ぶスタンスもとても重要だ」と話すタンズは、2019年6月にCEO職を離れチェアウーマンに就任した。
「私は色んな失敗をし続けるはずだった。でも、いつの間にか重要な物事を決定する立場になっていた」