ビジネス

2019.12.07

手荷物料金で稼ぐ航空会社 「行き過ぎ」との判決も

Getty Images


欧州のLCCは、荷物の要件に非常に厳格であることで知られている。イージージェットやライアンエアーは搭乗口でほぼ全ての乗客の荷物を確認し、その場で追加料金を徴収する。

ライアンエアーは今年、英国で操業する大手企業100社の顧客サービスについて聞いた英消費者協会(CA)のアンケート調査で最下位となり、「貪欲で傲慢(ごうまん)」と評価された。ライアンエアーでは受託手荷物だけでなく、身の回り品以外の機内持ち込み手荷物全てに料金を請求している。

スペインの裁判所は先日、ライアンエアーの手荷物規定は行き過ぎだとの判決を下した。商事裁判所はその後、同社に対し、10キロの手荷物を持ち込んで20ユーロ(約2200円)を徴収された乗客への払い戻しを命じた。

ただライアンエアーは、自社の規定は変更しないと表明している。同社では、乗客が無料で持ち込めるのは座席の下に収納できる荷物のみとし、それ以外には追加料金を設定している。

乗客にとっては残念なことに、これからも手荷物料金はなくならず、今後も基本運賃以外にかかる料金のうちの大きな割合を占めることになるだろう。

手荷物料金は現在、米国の航空会社の総売上高の3%を占めている。航空会社の収入の中で副次的な売り上げが占める比率が大きくなる中、こうした追加料金は今後さらに引き上げられ、規定も厳格化するとみられる。LCCは、手荷物料金から生じる売り上げが他の航空会社と比べてはるかに高く、スピリット航空とフロンティア航空はどちらも手荷物料金が売り上げの19%を占めている。

手荷物料金がなくなる見込みはなく、その金額が年々引き上げられているようにもみられることを考えると、追加料金を払う事態を避けるためには、空港到着前に利用する航空会社の規則と制限事項を確認しておくのが良いだろう。

編集=遠藤宗生

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