ベリーショートの智子がたんぽぽの種に例えた「転移」|乳がんという「転機」 #3

自身も乳がんを患った筆者が、同じく乳がんで旅立った友人を描く(写真=小田駿一)


チャレンジするなら、自立してやるべし


相手の目をまっすぐ見て、きれいな言葉で、強くしっかりと話す。内容はいつも的確で、表も裏もなく、そして、あたたかかった。亡くなる1カ月前、最後に会ったときに言われたのはこんな言葉だった。

「元気なうちにやりたいことをやるべき」
「チャレンジするなら、誰かの事情に左右されず、自立してやるべし」
「うなぎ、イタリアン、寿司、フレンチ、洋食、蕎麦……実はゆうちゃんって私と好みが一緒だね。私と一週間、夜ごはん一緒に行けるね」

三つ目の「一週間連続夜ごはん」は叶わなかったから、一つ目と二つ目のメッセージは、しかと胸に刻んで実践している。空の上で見ていてね。

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新卒で入った会社で25年間働き続け、仕事、育児、家事と突っ走ってきて、「働き方改革」のさなかに乳がんに倒れた中間管理職の、がんビフォーアフターを綴る連載「乳がんという『転機』」。筆者は電通 チーフ・ソリューション・ディレクターでForbes JAPANオフィシャルコラムニストの北風祐子さん。

初動から立ち直るまでのブログ的記録。11人に1人が乳がんになる時代、大親友がたまたま医師だったおかげで筆者が知ることができたポイントを、乳がんの不安のある女性たちやその家族に広く共有し、お役に立てていただけたらと考えています。

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文=北風祐子、写真=小田駿一

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