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2019.12.06 18:00

私はまるで、使い捨てカイロだ。|乳がんという「転機」 #2

乳がんを経験した筆者が綴る手記(写真=小田駿一)


乳がんのリスク要因、あてはまらなかったのに


Mが「リスク要因」という言葉を使ったので、調べてみた。たしかに、私はどのリスク要因にもあてはまらなかった。なのに、乳がんになってしまった。つまり、誰にでもなる可能性があるということだ。
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1. 食生活に関連するリスク
・閉経後の肥満→閉経していない。肥満でもない。
・アルコール飲料の摂取→ほとんど飲まない。

2. 生活習慣および持病と関連するリスク
・喫煙→タバコは一度も吸ったことがない。
・糖尿病→ではない。
・乳腺濃度が高い→高くない。
・エストロゲンとプロゲスチンを併用するホルモン補充療法→していない。
・経口避妊薬の長期間の服用→服用していない。

3. 妊娠・出産、授乳および月経歴に関連するリスク
・出産経験がない→29歳で娘、32歳で息子を出産した。
・初産年齢が高い→29歳は当時の平均的な年齢。
・授乳経験がない→二人とも母乳。
・初経年齢が早い→中学3年生だった。なかなか初潮が来なくて、友達に会話のネタにされていたほど。結局、学年でビリから二番目だった。
・閉経年齢が遅い→まだ閉経していないが、閉経平均年齢がわからないのでなんともいえない。
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4. 遺伝に関連するリスク
・家系内に乳がん患者さんがいる→いない。
・卵巣がんにかかった人が家系内にいる→いない。父方、母方ともに、がんとは無縁の家系。
出典:『患者さんのための乳がん診療ガイドライン』(日本乳癌学会、金原出版、2016年)

自習を始めたおかげで知ったことの一つが、乳がんは取ってしまえば終わりではなく、慢性疾患である、ということだ。正確には、ステージ0期の非浸潤がんであれば、がん細胞が乳管を突き破る前に取り切ってしまうので、理論上は慢性ではなく、治ることになる。だが、がん細胞が乳管を突き破ってしまった浸潤がんでは、治療が必要になる。

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新卒で入った会社で25年間働き続け、仕事、育児、家事と突っ走ってきて、「働き方改革」のさなかに乳がんに倒れた中間管理職の、がんビフォーアフターを綴る連載「乳がんという『転機』」。筆者は電通 チーフ・ソリューション・ディレクターでForbes JAPANオフィシャルコラムニストの北風祐子さん。

初動から立ち直るまでのブログ的記録。11人に1人が乳がんになる時代、大親友がたまたま医師だったおかげで筆者が知ることができたポイントを、乳がんの不安のある女性たちやその家族に広く共有し、お役に立てていただけたらと考えています。

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文=北風祐子、写真=小田駿一

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