「ビジョン実現のために圧倒的なスピードでの事業展開が必要である」と判断し、初の資金調達に踏み切ったサン アスタリスク。より成長スピードを加速させ、クリエイティブスタジオとして2022年には100億円ほどの事業規模にする予定だという。
「今までスタートアップ支援がメインだったが、大企業もサービス開発やIT人材不足という側面が課題となっている。また企業がデジタルトランスフォーメーションを推進していくには必要になってくるので、大手企業の比率を増やしていこうと思っています。
スタートアップスタジオについては、いままでトライアル的にやってきた0→1のスタジオのみならず、スタートアップをブーストさせるところを強化させていきます。また数値的なはゴールは大きく置いておらず、世の中に価値のあるサービスをひとつひとつ成長させていくことに注力していきます」
ここ数年で、企業におけるデジタルトランスフォーメーションの重要性が叫ばれているが、日本企業の多くは思ったように推進できていない。小林はデジタルトランスフォーメーションの課題をどう捉えているのか。
「まず課題を正確にとらえられてない企業が多く、DXという言葉に振り回されてしまっています。また推進している企業でもPoC(概念実証)で終わりがちで、多くがMVP(実用最小限の製品)まで出来ない、つまり事業経験者が足りない、IT人材の不足が要因です。スタートアップ、大企業など規模にとらわれず、イノベーション環境を作っていく必要があると考えています」
そうした環境をつくるべく、サン アスタリスクはマイクロソフトと連携。サン アスタリスクが提供するスタートアップスタジオの要素を取り入れた0→1の事業立ち上げスキームと、マイクロソフトが持つグローバルで活用されているクラウドインフラ基盤を活用することで、新規事業を最短最速で立ち上げられるサポートを提供している。
産業省が発表した「IT人材需給に関する調査報告書」によれば、今まで以上に国内のIT人材が恒常的な不足に陥る試算となっているほか、社会のデジタルシフトを推進できるテクノロジー人材は世界的にも枯渇している現状。2013年頃から、サン アスタリスクは産学連携における教育事業を通してテクノロジー人材の育成に取り組んできたが、今後はより幅広くデジタル・クリエイティブスタジオとして支援の形を広げていく。
「世界中の誰もが価値創造に夢中になれる社会を実現するインフラとなれるよう、才能やアイデアの“種”を照らし、育てていく予定ですので、今後に期待しててください」(小林)