米国のオンライン小売業者上位100社のうち、80社の売上高を追跡するアドビによると、サイバーマンデーの総売上は94億ドル(約1兆200億円)に達し、前年の79億ドルから19%以上の伸びだった。これはブラックフライデー(74億ドル)や昨年のアマゾンプライムデー(42億ドル)を上回る金額だ。
消費者らがリアル店舗からEコマースへのシフトを進める中で、今年のサイバーマンデーのスマホ経由の売上は昨年から46%上昇し、30億ドルに達したという。売上がピークに達する午後11時から深夜の時間帯の、1分間あたりの平均売上は1100万ドルを記録した。
12月2日月曜日の売れ筋のアイテムとしてアドビは、映画「アナと雪の女王2」の玩具やニンテンドースイッチ、VR関連デバイス、サムスンのテレビ、LOLサプライズの人形、アップルのラップトップ、トイガンの「ナーフ」などを挙げた。また、ビデオゲームではNFLをテーマにした「Madden 20」やスター・ウォーズの「ジェダイ:フォールン・オーダー」などが売れ筋だったという。
大手小売チェーンらの競争が激化する中で、BOPISの頭文字で呼ばれる、ネットで購入し店舗で受け取る買い物スタイル「バイ・オンライン、ピックアップ・イン・ストア」の売上は、前年比41%増となり、消費者らがより便利で時間を節約できる買い物手段を選んでいることが明らかになった。
「ウォルマートやターゲットらは、より効率的なピックアップ及びデリバリーサービスの提供を進めており、消費者もそれらのオプションを選んでいる」とモーニングスターのアナリストは述べた。
アドビの推定によると12月3日現在で、今年の米国のホリデーシーズンのEコマースの支出額の合計は、過去最大の815億ドルに達したという。リアル店舗の売上を含めた年末シーズンの総売上高は昨年の1260億ドルから、今年は1438億ドルまで伸びる見通しだ。
アドビによると、この背景には小売業者らが前倒しでセールを開始したことが挙げられるという。同社のマーケティング主任のJohn Copelandは「人々はバーゲン価格に飛びつき、消費額を増やした。雪や雨で外出がままならない地域では、スマホ経由の売上がきわだって伸びた」と話した。
サイバーマンデーで最もディスカウント率が高かったアイテムの1つがテレビで、平均的な割引率は19%を超えたが、アドビによると、エレクトロニクス製品のディスカウント率は12月27日に最大(27%)に達する見込みという。
アクセンチュアが毎年発表するHoliday Shopping Surveyによると、米国の消費者は今年のホリデーシーズンに、一人あたり平均637ドルを支出する見通しだ。