Forbes JAPAN 1月号 (11月25日発売号) で発表したこのランキングに登場する起業家を知ることで、いま私たちがいる時代の課題や成長領域が見えてくる。未来を考える手がかりにしてほしいという思いから、当日の様子を紹介しよう。
今年のテーマは、未来をつくる「The Great Company(グレートカンパニー)」。技術革新が進み続ける一方で、世界中では分断と対立が顕在化している。いま、リーダーに求められていることは何なのか。新たな価値が生まれ、全ての人たちに富が分配される社会は到来するのだろうか。
こんな壮大な問いを掲げて始まったカンファレンスには、ビジネスリーダーなど約300人が参加し、幕を開けた。
「Forbes JAPAN CEO Conference 2019」会場には、多くのビジネスリーダーが集まった (撮影:小田駿一)
「民主主義の危機」をテクノロジーの力で
日本の起業家ランキング2020で1位を受賞したのは、ニュースアプリ「SmartNews」を運営するスマートニュースの鈴木健と浜本階生。受賞者スピーチで、鈴木は、「浜本と出会ってちょうど10年。結婚のスピーチみたいですが、良い思い出になりました」と語り始め、笑いを誘った。
アメリカ事業のユーザー数が前年比5倍成長したことに触れ、「以前からアメリカ社会の分断に目を向けて、地道にサービスを提供してきたことが評価されたと思います。メディア、ニュースは民主主義の基盤ですが、いまテクノロジーの力によって、これを脅かす危機が起きています。またテクノロジーの力であるべき姿を取り戻し、来年のアメリカ大統領選ではできる限り、この課題に取り組んでいきたい」と語った。
2位にランクインしたのは、介護をはじめ様々な「社会課題の解決」を目指すAI企業、エクサウィザーズの石山洸と春田真。石山は「介護やHR分野で、AIが正しく使われるように。日本そして世界で、社会課題を本当に解決できる企業に成長し、仲間を増やしていきたい」とスピーチした。
そして3位は、11月に東京証券取引所から上場承認を受けた、テクノロジーを活用した事業やプロジェクトを通じて医療ヘルスケアの未来をつくる、メドレーの瀧口浩平と豊田剛一郎が受賞。瀧口は「医療業界にインターネット企業は全くおりません。そんな業界で10年間やってきました。この受賞を機会に採用を強化して、もっともっと良い会社にしていきたい」と意気込みを語った。