元ファーストクラスCAに聞く「機内で噂される一流の乗客」の共通点

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8.食事がご希望に添えなかったときの対応

CAが毎回のフライトで最も気が重いことの1つが、お食事のチョイスが上手くいくかどうか。近年では機内食のバッファが少なくなったこともあり、残念ながらお客様のご希望に添えないこともあります。

CAとしてもせっかくお乗りいただいたのだから、ご希望のものを召し上がっていただきたいという思いでサービスしているので、ご希望のチョイスがなくなってしまいお断りするときには、とても心苦しい思いになります。

そんな時に「それならこっちでもいいですよ!」と快く受け入れてくれるお客様の寛容さには、本当に尊敬の念を抱きます。中には、「行きも和食だったから帰りは洋食を狙ってたのに残念だな~」など本音を冗談っぽく伝えてくださる方もいるのですが、それさえもとても有難く思います。

ちなみに、食事がご希望に添えなかったときは、CAはその後のフライトの中で何かできることはないかと思いを巡らせながらサービスにあたります。

9.CAがミスをしたときの対応

ファーストクラスを担当するなかで感じたことが、こちらのミスをミスと思わせないような気遣いが上手な方がとても多いということ。

私が初めてファーストクラスを担当した時、誤ってシャンパンをワイングラスで提供してしまったことがありました。いつもより多めに提供してしまったため、酔いが回りお客様はお食事の途中で眠ってしまわれました。

ファーストクラスの客席に置かれたワインと食事
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お目覚めになった後、チーフと共に謝罪に行ったところ、「あ、どおりでいつもよりいっぱい入れてくれたなと思ったんだよ。おかげでいつもは睡眠導入剤を飲まないと眠れないんだけど、今日はぐっすり眠れたよ。ありがとう」と笑って言ってくださったのです。

ミスをした人の気を軽くしてくれるような機転の利いた返しが自然にできる方からは、徳の高さを感じ、フライトから何年も経った今でも鮮明に覚えています。

10.降りたあとがきれい

立つ鳥跡を濁さずという言葉の通り、飛行機を降りる際に使用した毛布がキレイにたたまれていたり、ゴミがまとめられたりしていると、「さすがだな」と感じ、「この席どのお客様が座っていたっけ?」と思い返していまいます。

━━いかがでしょうか。

「こんなこと、いつもやってるよ」という方は、飛行機マナーの達人レベル。

CAから一目置かれるだけでなく、ご自身も周囲のお客様も快適に過ごすための達人マナー、ぜひ次の出張、ご旅行の際に意識されてみてください。

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清水裕美子
◎日本航空(JAL)の客室乗務員として国際線ビジネスクラス、ファーストクラスなど中心に約5年乗務する。退職後はCA流美容コンサルタントとしてセミナー、メディアなどで活動するほか、日本初のCAが発信する総合情報サイト「CA Media」を立ち上げる。All Aboutビューティー担当ガイド

文=清水裕美子 編集=石井節子

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