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ヘアケア・ブランド「プローズ(Prose)」は、一人ひとりに適したシャンプーなどをオンライン販売しており、提供できる製品の組み合わせは500億種類を超える。同社が未来のeコマースで中心になると確信しているもの、それは「パーソナライゼーション」だ。

そう考えているのはプローズだけではない。美容業界では現在、テクノロジーを活用して、個別にパーソナライズされた製品を製造・販売するバーティカル・ブランド(ニッチ市場向けブランド)が増えている。例を挙げると、「ファンクション・オブ・ビューティー(Function of Beauty)」、「バイト・ビューティー(BITE Beauty)、「キュロロジー(Curology)」など。それぞれ、顧客に合わせたシャンプー、リップ、ニキビケアを販売するブランドだ。

こうした変化が起きているのには、それなりの理由がある。データが示すところでは、買い物客の8割が、パーソナライズされた体験を提供する企業から商品を購入する可能性が高いと答え、顧客の59%は、パーソナライゼーションが購入判断に影響を及ぼすと答えたのだ。

そして、美容業界のバーティカル・ブランドはすでに、「ハイパー・パーソナライゼーション」によって、驚くほどの結果を出している。たとえば、オンライン・コスメショップ「イル・マキアージュ(IL MAKIAGE)」では、同社独自の「PowerMatch」アンケートと人工知能(AI)を合体させたシステムを提供。買い物客はそれぞれ、自分に適したコンシーラーやファンデーションを見つけることができる。

同社はこのやり方で成果を上げている。2019年3月のローンチ以来、600万人を超える顧客を対象に、各自に適したファンデーションの色合いをマッチング。その精度は94%だ。同社の売上は、年内に5000万ドルを超えると見られている。

プローズのパーソナライゼーションも、イル・マキアージュと同様にアンケートから始まり、「オンライン・カウンセリング」が行われる。

このカウンセリングでは、顧客のライフスタイルや食習慣、居住地域、ストレスレベルといった重要データを収集。その後、プローズが独自開発したアルゴリズムを使って、収集したデータをもとに、顧客のヘアケアに関するニーズや悩みに応じた製品を個別に提案する。このような舞台裏のテクノロジーが、同社の高度なパーソナライゼーションを可能にしているのだ。

プローズの共同創業者で最高経営責任者を務めるアルノー・プラー(Arnaud Plas)はこう語る。「アルゴリズムならびにバックエンドのサイトを独自開発したことで、テクノロジーを迅速かつ最大限に活用できるという強みが手に入った。おかげで効率性が向上し、チーム間で直接情報をやり取りできるようになり、より良い製品を提供することができる」

今のところは順調だ。2017年のローンチ以来、プローズの顧客ベースは5倍以上に拡大。今年2019年だけを見ても、オンライン・カウンセリングの完了数は100万件を超えている。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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