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40~50代になった米国のX世代の間で、老後の計画に対する関心が高まり始めている。その計画における重要なステップの一つは、ファイナンシャルプランナーなどの専門家の助けを借りることだ。

専門家は多くの場合、そうした計画を立てる際に収入や資産、支出に関する推計と過去のリターンなどを組み合わせて考えるモンテカルロ法を用いる。それによって、クライアントが生涯に必要とする十分な資金を蓄えるための方法の決定を支援する。

この分析が有用なものであるためには、検討する際の前提条件が適切なものでなくてはならない。そうでなければ、「ゴミを入れればゴミが出てくる(GIGO、無意味なデータを入力すれば、結果も無意味なものになる)」状況に陥る危険性がある。

このGIGOという表現は、初期のIBMのプログラマーやインストラクターがコンピューターを学ぶ人たちに「コンピューターはただ与えられたものを処理するだけなのだ」ということを明確に認認させるために使ったものだ。そしてこれは、老後の人生設計においても適切な考え方だ。

長寿はリスク要因

老後に向けて適切な計画を立てていなければ、「寿命」がX世代にとっての大きな負担になり得ることは明らかだ。寿命は常に変化している。

「ベビーブーマー」のうち最年長に当たる人たちが生まれた1945年、米国の平均寿命は男性が63.3歳、女性が67.9歳だった。また、最初の「沈黙の世代」が生まれた1925年の平均寿命は、それぞれ57.6歳、60.6歳だった。一方、2019年に米国で生まれた赤ちゃんは、76歳と81歳。ブーマー世代と比べて、14年近く長くなっている。

ただし、より長く生きることが、より良く生きることを意味するわけではない。これはまさに、X世代が自らの老後の人生設計を考える際に、覚えておかなければならないことだ。

1990年代後半から2000年代初めには多くの場合、寿命を85~90歳として計画を立てることは珍しくなかった。だが、寿命を90歳とした場合と100歳とした場合の分析の結果は、まったく異なるものになるだろう。X世代は100歳まで生きるものとして考える必要がある。「人生85年(または90年)」を前提条件とすることは、まさにゴミの入力だ。

カップルとしての余命も重要

結婚をしているかどうかにかかわらず、カップルが2人同時に亡くなる可能性は低い。そのため、カップルとしての(共同での)余命を考慮するのも重要なことだ。

例えば、X世代(50歳)の男女のカップルの場合、85歳まで生きる確率は男性が38%であるのに対し、女性は50%。カップルのどちらか一方が85歳まで生きる確率は、69%だ。寿命が90歳と仮定すれば、それまで生きる確率は男性が18%、女性が30%。どちらか一方なら42%となる。

X世代は自身の余命について想定するシナリオを増やし、それぞれの場合に適した支出を検討するべきだろう。70~80代の間にレジャーなどに充てる分として考えていた資金を、90代になってからの医療費や生活に必要となる資金として計算するべきかもしれない。

資産を最も多く築くことが可能な時期にあるX世代は、長寿をデメリットではなくメリットに変えていくことに力を入れるべきだ。計画を立てるにあたって、受動的でいることはできない。支援してくれる専門家に対し、より長い老後生活を前提条件としたプランの提案を求めていく必要がある。

編集=木内涼子

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