プライス・ウォーターハウスならびにセイラム市の裁判で述べられた論拠は、LGBTQの人々にも適用される可能性がある。ある人が「固定観念にもとづいた異性愛者の規範に一致していない」ということを理由に雇用者から差別された場合、その差別が起きた理由はその人の性別にあるからだ。
公民権法第7編には、性的指向について具体的な言及がないため、そこで定められている「性別による差別の禁止」に、性的指向による差別の禁止が含まれるか否かは、今のところ確定していない。最高裁判所は2020年、この件に関連する3事例を審理することになるだろう。
公民権法第7編の下では、報復措置は禁止されている
公民権法第7編の下では、法律で保護された活動を被雇用者が行ったことを理由に、雇用主が被雇用者に対して報復措置をとることは違法とされる。法律で保護されたそうした活動には、公民権法第7編で定められている違法な雇用慣行について苦情を申し立てることや、不服の意思表示をすることが含まれる。
性的指向による差別を受けた、または報復措置をとられたと思った場合には、以下の点を検討しよう。
・業績が優秀であるにもかかわらず不利な扱いを受けたか。
・自分と性的指向やジェンダー・アイデンティティの異なる人々が、昇進対象となったり有利な扱いを受けたりしたか?
・あなたのジェンダー・アイデンティティや性的指向は、生得的な性別に期待される社会的な固定概念に一致していないか
・雇用主による不当な扱いについて通報したり、雇用主を相手に訴訟を起こしたりした後で、さらに差別を受けたり、報復を受けたり、冷遇されたりしたか?
性的指向による差別をめぐる最高裁判所の今後の判断は注目されている。我々も見守っていく必要があるだろう。