これまでの数年でタリバンは地域内でもっとも影響力の強い組織としての地位を取り戻し、さらに勢力範囲を広げながらテロ活動を大幅に拡大している。たとえば2017年、アフガニスタンの治安部隊は国土総面積の5%で支配力を失ったが、その一方でこの過激テロ組織が支配権もしくは直接的な影響力を持つ地域は、南部を中心に国全体の40%にまで達している。

2018年、世界各地で起こったもっとも残虐なテロ攻撃は、タリバンとそのさまざまな分派によるものだった。カブールのドイツ大使館近くでトラックが爆発して150人が死亡、160人以上が負傷した事件もそうだし、アフガニスタン軍に対する共同攻撃で兵士256人が殺され、160人が負傷した事件も然りだ。

パシュトゥン系のこのテロ組織が「手段を選ばない」手合いであることは、近年の無慈悲な行動を見れば明らかだ。


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何百人もの無垢な子どもや若者の命を奪った学校への攻撃に加え、アフガニスタン政府や軍の象徴に対する一連の致命的攻撃の主な目的は、政権を揺るがし、現地の治安部隊に混沌と士気喪失をもたらすことだ。多くの専門家が、タリバンはこの目的を見事に達成していると考えている。

近年見られるタリバンの成功は、金銭的にも測ることができる。タリバンはつい最近まで、ISISのそれにもよく似た財政機構を運営していた。より多くの土地を支配し、より多くの人々を支配下に置けば、より多くの資源および収入源を確保でき、それを膨大な金額へと転換することができるというものだ。

年間何億ドルにものぼるタリバンの主な収入源は、麻薬の製造と販売(主にアヘンの栽培とヘロインの製造)だ。ほかにも、支配地域における天然資源の盗掘、人質を取って巻き上げる身代金、そして最後に、寄付金が挙げられる。

生産されるヘロインは年400トン。アヘン輸出は国のGNPの12%

前述のとおり、このジハーディスト(聖戦士)集団の最大の収入源は、長年をかけて構築され、磨き上げられてきた膨大な麻薬ネットワークに依存している。このネットワークこそが、アフガニスタンを世界最大のヘロイン製造と栽培拠点に押し上げたのだ。

世界の麻薬産業におけるもっとも重要な「大動脈」のひとつであるこのネットワークは、年間何億ドルもの収益を生み出している。国連薬物犯罪事務所(UNODC)の報告によれば、アフガニスタンは世界最大のアヘン生産・輸出国であり、世界中のヘロインの約90%を生産しているとのことだ。

文=イタイ・ゼホライ 翻訳=松本裕/株式会社トランネット 編集=石井節子

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