同社の会長兼最高経営責任者(CEO)のマイケル・デル氏は、「2030年に向けて、デジタル経済に誰もが参加しなければならなくなる。その結果、これまでにない新しい職業が生まれる。その環境を私たちは整える」として、そのために重要なのはデータであることを強調した。
「データの力を解き放つことは、今後10年で、他のどの勢力よりも人類を進歩させる」と、データをベースとしたテクノロジーの進化に肯定的な姿勢を見せながらも、その発展に対しては社会的な責任も伴うとし、「New 2030 Goals for Societal Change Top Dell Technologies’ Strategic Agenda」(2030年を新ゴールとする社会変化に向けたデル テクノロジーズのトップ戦略的アジェンダ)を発表した。
発表のなかでとくに強調していたのはリサイクルだ。同社は1つの製品に対して、1つの製品をリサイクルすることや、すべてのパッケージに100%リサイクル、または再生可能な素材を使用することを宣言した。
米国で求められる企業の社会的責任
デル テクノロジーズが、なぜ海外のプレスまで呼び、新製品や新サービス(イベント開催にあわせて、新しいコンバージドインフラ製品「Dell EMC PowerOne」、自社サーバーを従量課金で利用できる「Dell Technologies on Demand」も発表された)のほかに、こうした取り組み目標について大々的に発表するのか。同社のサステナビリティ部門のバイスプレジデント David Lear氏はその疑問に対して、「人々がそれを強く求めているからだ」と話す。
米国は、日本以上に環境問題に対してシビアだ。ホテルの多くは、プラスチック製の歯ブラシなどを置くことをやめている。この動きは、2018年10月に制定された「Save Our Seas Act(我々の海を守る法)」で加速化。これは、海洋漂流ごみに関する法律が改正されたもので、10月11日にトランプ大統領が署名して、成立した。
民間企業や自治体の動きも活発だ。アメリカ化学工業協会(ACC)も2030年までにプラスチック梱包剤を100%リサイクル可能にし、2040年までに100%再利用・回収できるようにするという業界目標を公表しているほか、シアトルやカリフォルニアではレストランなどでのプラスチック製のストローなどの使用禁止が定められた。