また、「PERMA」はP(Positive emotions)、E(Engagement)、R (Relationships)、M(Meaning)、A(Accomplishment)の頭文字をとった言葉。この5つが個人の幸福を構成する要素と言われており、emol workはこの5つの指標を可視化する。
例えば、PERMAにおけるRの「Relationship(他の人との関係性)」を算出するためにスラックと連携して会話を解析し、メンションからやりとりの多い・少ないなどを可視化。結果的に、組織のコミュニケーションの形が可視化できるという。
「メンタル状態が好調な従業員は、さらに良い状態へと導くため、ポジティブ心理学のPERMAという指針を応用し、従業員のウェルビーイングの向上を計ります」
メンタルヘルスをダイエットと同じような感覚に
こうした従業員のコンディションを可視化するサービスとして、すでに「Well(ウェル)」といったサービスなどもある。同サービスとの違いについて、千頭はこう語る。
「Wellなどのサービスは、主に“メンタル状態の分析/可視化”へのアプローチを主な目的としています。一方、emol workは“メンタル状態の分析/可視化”と“一人ひとりにあわせたメンタル向上プログラム”の2つが主なアプローチとなっており、前者は無料で提供する予定です。
サービスの核は後者の一人ひとりにあわせたメンタル向上プログラムなので、前者の分析/可視化については他サービスとの協業も可能であると考えています」
emol workはクローズドβ版をリリースしたところ、事前登録者が200名を突破。従業員のメンタル育成を目的として教育プログラムや福利厚生として導入していただくなど、想像以上の反響が集まっているという。
「働き方改革や健康経営が重要視される現在において、企業でのメンタルヘルスへの課題は顕在化してきています。しかしながら、一般消費者においてはメンタルヘルスの需要はありつつも、具体的な課題が顕在化していない現状があります。弊社は、まずは課題が顕在化している企業様に向けて適切なソリューションを提供し、日本全体にメンタルヘルスへの関心を底上げしようと考えています」
今後、メンタルトレーニングのコンテンツを随時追加していくほか、コンシューマー向けのアプリにもトレーニングを実装AIとの会話からメンタル状態を分析し、ユーザー毎にパーソナライズしたメンタルトレーニングを提供していく予定だという。
「現代の日本では、メンタルヘルスと聞くとマイナスなイメージを持たれるかもしれませんが、ダイエットしたり身体を磨くのと同じように、精神も磨くことが当たり前になる文化を普及していくことを目指します」