アフリカに向かったルーン
その後、ルーンはアフリカに進出した。この大陸での初の業務は、インターネット接続を提供できる高高度気球を用いて、ケニアの地方にインターネット接続サービスを提供することだ。4500万人以上が住むケニアは、アフリカ大陸で人口では第7位、経済規模では第8位に入る。だが、インターネット接続に関しては、都市部では良好なものの、地方あるいは郊外では利用できないエリアがいまだに多い。
そこでルーンは、ケニアの通信事業者、テルコム・ケニアと提携。ケニアの地方および郊外におけるインターネット接続格差の解消に乗り出した。
こうして2019年夏には、同社の気球がケニア中央部の山岳地帯から打ち上げられ、年内に商用モバイルインターネットサービスの提供を開始するとの目標が示された。現時点でルーンとテルコム・ケニアは、サービス開始に向けて、規制当局の最終許可を待っている段階だ。
ルーンは、どのような仕組みでネット接続を提供するのだろうか。 ルーンが使う気球は、従来からある気象観測用の気球に似ている。サービス提供時には、海抜6万フィート(約18キロ)の上空に浮かび、半径25マイル(約40キロ)のエリアをカバー可能だ。第4世代(4G)のモバイル通信サービスを提供し、人工知能(AI)によって制御される。
ルーンは、すべてのサービス提供エリアにおいて、通信事業者と提携することになる。通常の基地局が可能にするインターネット接続と同等のサービスを利用者に提供することが必要になると、BBCは伝えている。
次の動きは
ルーンは今後、ペルーで気球を展開し、2020年初頭をめどに4GもしくはLTEサービスを提供する計画だ。だが、アマゾン川流域で気球を飛ばすには、まずはペルーの規制当局である運輸通信省の承認を得なければならない。