40億ドルという売上は、通常の時期の好セールスとされる日の2倍に及ぶものだ。11月1日から27日の間で、売上が20億ドルを超えた日は8日しかなかった。今年のサンクスギビングデーは、フェイスブックやインスタグラムが一時的にアクセス不能になるトラブルも発生したが、売上に影響は無かったようだ。
むしろ、フェイスブックが使えないほうが売上は伸びるのかもしれない。
かつては感謝祭の翌日のブラックフライデーが、ホリデーセールの初日と考えられていたが、リアル店舗のほとんどが閉店する感謝祭当日を家で過ごす消費者が、モバイルからEコマースを利用することで、サンクスギビングデーの存在感は高まった。
アドビの予想では今年のサンクスギビングデーの売上は、昨年から20.2%上昇し、44億ドル(約4800億円)に達する見通しという。さらに、ブラックフライデーの売上も同様な伸びが予想され、売上75億ドルの達成が予想されている。
また、BOPISの頭文字で呼ばれる、ネットで購入し店舗で受け取る買い物のスタイル「バイ・オンライン、ピックアップ・イン・ストア」の普及も、Eコマースの売上増を牽引している。アドビによるとBOPISの支出は前年比33.2%の伸びとなり、伝統的小売業者がEコマース業者と戦うための有力な手段になっている。
1回あたりの支出額は少ないが、BOPISの利用者の82%が店舗で品物をピックアップする際に追加のショッピングを行っている。
今年のサンクスギビングデーの売上の約半分がモバイル経由だという。アドビによると、午後5時時点で、46.4%がモバイルの買い物だった。この比率は昨年から30%も伸びており、消費者の買い物の中心がモバイルに向かっていることがさらに鮮明になった。
今年は多くのサイトがホリデーシーズンのセールを前倒しで進めており、現時点のオンライン売上は昨年から16.4%増の570億ドルに達したという。さらに、今年のホリデーセール全体のEコマース売上は、1437億ドル(約15兆7000億円)に達するとアドビは予測している。