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ジェフリー・ムーア

AIはじめ、次世代テクノロジーが既存事業を壊し始めている。そんな中で、企業はどのように生き残るべきなのか。また、そこで求められるリーダーシップとは?

世界的なベストセラー『キャズム』や『ゾーンマネジメント』の著者で、組織理論家のジェフリー・ムーア氏に聞いた。(前編はこちら


──AI(人工知能)をどのうように見ていますか?

オートメーションは機械やコンピューターをはじめ、ルーティーンワークを正確かつ迅速に遂行するために、私たちの生活に欠かすことができないツールだと思います。

歴史的に見ても、農業や製造業を含める産業も、かつて手作業でこなしていたことを機械が肩代わりすることによって経済が発展し、私たちの生活を便利で豊かなものにしてくれました。現在、私たち人類は、上からAI、下から機械によるオートメーション化という板挟みにあい、将来の労働人口の推移などに不安を抱くような傾向が見られますが

しかし私は、「人智に勝るAIはない」と信じています。AIは私たち人類が現在起きている現象に対応するサポートにはなりますが、次の世代で起きるであろう問題や課題を予知したり、それに対応する解決策を見出す能力を与えることはないと思うからです。

──日本が低賃金の国に製造基盤を移行していることも含めて、これまでのアメリカの経済的な推移をみて、日本も同じような経路を辿ると思うか?

日本は、今までのアメリカのビジネス及び経済の推移について大いに学ぶべきことがあるのではないかと思います。

アメリカは、ハードウェア、ソフトウェアに限らず、時として国の基幹産業である重工業を含めて、中国だけではなく、低労働賃金国に生産の拠点を移してきました。しかしその反動として今、生産拠点を再びアメリカ国内に戻そうとする政策を取り始めています。

しかし、AIの台頭に伴い、これから先2025年に直面する問題の解決は、生産拠点をどこにするか云々ではありません。例えば地方の伝統的な文化を背景にものづくりをする企業などとの協業をどのように推し進めて行くかについても考える必要があるのかと思います。

編集=谷本有香 翻訳=賀陽輝代

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