Z世代が生み出す、次の飲酒トレンドとは?(後編)

Photo by Hero Images / Getty Images


──ビターズは拡大しているでしょうか?

ビターズ人気は確かに復活しているようだ。ビターズを少し加えることでドリンクに深みが出るだけでなく、消化が助けられる。ジェムソンやウッドフォード・リザーブなどの人気のウイスキー銘柄は、さまざまな味のビターズに手を広げている。

──カクテルの材料での最新トレンドは何でしょう?

フルーツやスパイス、植物で風味付けしたリキュールが非常に人気だ。風味付けしたウオッカやウイスキーを使えば、砂糖やシロップ、グルテン、着色料などの人工的な材料を加えることなくドリンクを職人風にできる。味付きの蒸留酒を使えば、自然かつ簡単にさまざまな風味を楽しむことができる。

──新たに発売される蒸留酒で特に高価なものは何ですか?

日本産のウイスキーが今とても人気だ。バーでは在庫を常に確保することがなかなかできず、供給不足のため価格は倍近くになっている。日本産ウイスキーの平均的なボトルの値段は80~300ドル(約9000~3万3000円)だが、最高記録を出した山崎50年のボトルは昨年、29万9000ドル(約3300万円)の値が付いた。

──アルコールの分野で今後人気になりそうなものは?

クラフトモクテル(ノンアルコールのカクテル)の分野が成長している。飲酒を控える「ソーバー・キュリアス」運動が強い支持を集め、ジェネレーションZのアルコール摂取量が前世代よりも減っているため、ノンアルコール飲料の需要が高まっている。クラフトモクテルに特化したメニューを提供するバーやレストランは増えており、コカコーラさえもアルコールフリーの大人向け飲み物を発売している。

また、薄暗くて落ち着いた雰囲気の従来型バーはもう人気がなくなっている。ジェネレーションZは過去の世代のように、外で酒を飲みながら親交を深めることを重視してはおらず、刺激と娯楽も求めている。ボードゲームやオンラインゲーム、そして特にインスタ映えするような写真を撮る機会など、関心を引きつける経験を提供するコンセプトこそ、特定のバーやレストランに若者を引きつける要素となる。

編集=遠藤宗生

ForbesBrandVoice

人気記事