チェンジマネジメントを成功に導くたった一つの問い

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2. 壮大なビジョンを示したがる

変化を起こそうとするリーダーの多くは、壮大なビジョンと崇高な目標を示したがる。従業員がそのビジョンを気に入れば、そのために必要な変化はどんなものでも自動的に支持するだろうと思い込んでいるのだ。それに正直なところ、ビジョンにあふれたスピーチをする方が、変化が必要だという結論に至った難しい思考プロセスを説明するよりずっと楽しい。

また私たちが行ったインターネット調査「What’s Your Style Of Change Management?(あなたの管理スタイルは?)」では、経営者は変革を率いる上で「冒険家」タイプであることが多いことが分かっている。現場の従業員の多くが変化に慎重なアプローチを取りがちなのに対し、冒険家タイプは大胆さや変化、不確実性にやる気を感じる。

このタイプは、常に変化する環境や仕事を楽しむ。大きな挑戦や、新しい挑戦の機会を好みがちで、失敗を恐れない。もう一度挑戦するチャンスがあることが分かっているときは、さらに大胆になる。

経営者が大きな変革を望む理由の一部は、変化の裏の根拠を深く理解していることにある。大きな変化は、その必要性や緊急性を深く理解しているときには、それほど恐ろしく感じられないものだ。しかし、従業員の多くはその理解がない。

3. 決断の根拠を説明したがらない

私たちが7000人以上を対象に行ったアンケート調査「How To Build Trust In The Workplace(職場で信頼を築く方法)」では、何が従業員のリーダーへの信頼を培うのかを調べた。それによると大きな要素は、従業員が上司を「賢い決断をする人」と見ているかどうかだった。

しかし「賢い決断をする」ためには、良い結果を生む決断を下すだけでは十分ではないことが分かった。従業員がリーダーを「賢い決断をする人」として見るためには、どのようにその決断に至ったのかを包み隠さず伝えなければならない。変化の取り組みの裏の根拠を説明することと同じで、これは多くの組織やリーダーにとって難しいことだ。

こうした要素は全て、なぜ変化が緊急に必要とされているのかを説明する必要性を示している。リーダーの変革の根拠を理解するために必要な情報を多くの従業員が受け取っていないことは、データから明確に示されている。しかし、この問題に対して少し努力すれば、チェンジマネジメント成功に向けた顕著な改善がいたるところで見られるだろう。

編集=遠藤宗生

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