ビジネス

2019.11.29 12:00

どん底からスタートした起業家の「世界を代表する食品メーカー」への挑戦

新國 翔大
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企業を軸に仕事を探したり、職を軸に仕事を探したりするのではなく、「自分はどうありたいのか?」「何に興味があるのか?」と徹底的に向き合い、自分を知った後、初めて仕事を探す。働く環境ではなく、自分を探すことをテーマにしたキャリア支援サービスを立ち上げた。

「昔から存在する大手ナビサイトや人材紹介会社は、すべて企業視点から就職先を紹介したり、職を紹介したりしていました。ビジネスを考えたら当たり前だと思います。でも結局のところ、働くのは自分ですし、良し悪しを決めるのも自分。自分が何に興味があるのか分からないと、働く場所を選ぶのは無理だろうな、と思ったんです。それで"Meet Yourself 初めて自分に出逢う場所” というコピーのもと、日本で初めて職業紹介をしないキャリア支援サービスを立ち上げました」(杉岡)

企業も紹介しないし、職も紹介しない──そんなモデルで収益はどうするのか、リリース当初はそんな批判の声が相次いだ。

「もちろん成功する確証はなかったですが、人が多く集まる東京なら上手くいくんじゃないか。そんな気がしていました。大阪から初めて東京に来て、人でギュウギュウの山手線に乗ったとき、すごく感動したんですよね。ヒトが集まることに価値を感じ、お金を払う人がいれば、みんなの経済負担を緩和できるのではないか。人さえ集まる場所があれば、究極、人にわざわざ職を斡旋しなくても、成り立つと思ったんです」(杉岡)

そのヨミはすぐ当たることになる。サービス開始後、「職業紹介しなくても、若い人がたくさん集まる場所に広告出稿できれば長期的なブランディングになる」と大企業から共感の声が集まり、“協賛”という形でビジネスのスキームを構築。また異色のコンセプトが口コミでバズり、開始から1年で数万人が使う規模にまで成長した。

「世の中を変えるほどの規模ではないですが、確実に数万人の人生は変えることができたと思いますし、黒字を計上して十数人の会社のメンバーに飯を食わせるほどの経営はできた。個人的には良い成功体験になったと思っています」(杉岡)

妻のキャリア、個人の体験が掛け合わさり「食の道」へ

1社目の起業から2年が経った、2018年。杉岡は2社目となるZERO TALENTを創業する。同社は非大卒者のキャリア支援を手がける事業を展開。

「僕自身が大学受験に失敗して、5年間フリーター生活を送っていた経験があります。ゼロキャリアから就職活動をスタートさせたのですが、当時は自分に全く自信が持てず、周りと比較しては戦う前から「無理だ……」と諦めてしまっていた。当時はそれですごく悩んでいました。結果的に僕は起業しましたが、あれから数年が経っても世間では労働力不足と言っているし、働き手が足りないからと出産後のママが働いている。そんな状況であれば、非大卒のゼロキャリアの人たちにも就職の門戸を広げてもいいのではないか。そんな思いから、キャリアがない人に特化した正社員雇用を前提とするサービスを立ち上げました」(杉岡)

同社の経営は友人の木村リカルドに託し、今なお事業は続いている。そんなZERO TALENTの立ち上げと、ほぼ時を同じくして立ち上がったのがMiLだった。

「人は何のために働くのか。せっかく働くのであれば、有意義な時間の使い方をすべき、ということに向き合って今までは事業を展開してきました。

そうなると必然的に“自分のやりたいこと”が見つかったら、長く人生が続いた方が絶対にいいと思ったんですよね。従来の働く前のサポートだけでは難しいので、長く人生をサポートできる事業が必要だと思い、ウェルネス、ヘルスケアに行き着き、睡眠、運動、食事の中から食事を選択しました」(杉岡)
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文=新國翔大 人物写真=小田駿一

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